しとしと雨の降りはじめ、どこかで誰が鳴いている?
クワックワッと高めの声、鳥みたいだけど、おそらく主はあまがえる。
秋雨時に周囲のどこぞの樹から響くこの声は、楽器のギロのようで歯切れがよい。
一方、梅雨どきの田んぼでは、げこげこと低めでBGMのように流れる。
しかしこの辺りは田んぼもないし、数十年来アマガエルは
いなかったものと思われる。
そう、今年の初夏、坂の下にわずかに残る田んぼで
息子が捕ってきたおたまじゃくしが
うちの庭の池から巣立ち、今も健氣に生きているのだ。
夏前までは路地の鉢植えを縄張りにしていたが、
暑くなると姿を消した。
ここいらは天敵のヘビはいそうにないが、
住宅地の真ん中で生きていくのは難しかったかと
半分受け入れつつも、野性の生き抜く力に希望はあった。
ヒキガエルは地を這って暮らすが、あまがえるは英語で
tree frog(樹のカエル)と呼ぶように、低木も含めた樹上で暮らす。
真夏は日蔭の葉っぱのすき間などでじっと昼寝したり、虫を飲んだり。
ヒキガエル(がまがえる)よりも乾燥には弱いから、
そりゃ雨が降ればうれしくて鳴くのも分かる。
裏庭かどこかの土にもぐって上手に冬眠できれば、
また来年の春にもぞもぞ起きて、運がよければ
(そしてうちがまだ引っ越していなければ)
庭の田んぼに訪ね来て、卵まで産んじゃうかも!?
したらばこの上なく感激です。
アマガエルの前に巣立ったヒキガエルの小っちゃいのも、
庭のどこかでたくましく過ごしているとよいが。
うちの庭のように、狭かろうが、雑草や隠れ場がほどよく残されて
生きものの居場所がある庭が、町にもっともっと増えれば、
そのネットワークで町の生態系を保つことができる。
何かあったときに逃げのびる場所が重要。
風呂敷も、多くの人が携帯していれば、非常時に助け合うことができる。
ちょっとしたことでも、仲間がふえれば、量が質を変える。
エサと棲み家があれば生きものが召還される。
餌は草や虫。虫は野菜の皮でも片隅に放っておけばよい(よしずなどを立てて目隠し)。
水が溜まらなければ腐敗しづらい。埋めなければ、すぐに虫に食われてなくなる。
アリ、団子虫、なめくじなど集結し、かえって鉢植えが守られる。
我が家では、わざわざ家の中には1匹も侵入してこない。
生きものは、自分を守ってくれるものを守る。
庭に住むものはその家を護る天使になる。
害虫として困ることになるのは、その庭が不自然ということ
雑草や隠れ場があれば天敵も共存できる。
殺虫剤で殺すと、強い虫だけが残ってかえって悪さをする。
豊かな庭の指標
レベル
1:季節の雑草を楽しめる
2:バッタが跳び、夏の夜に虫が鳴く
3:トンボの来る水場がある(東側にプラのトロ舟を置いてメダカを飼ったり、水田をしよう)
4:ヒキガエルが棲んでいる
5:ヘビが棲んでいる
6:フクロウが棲んでいる(小型のアオバズクなどは都会にも棲む)
僕はいま、蛇の庭をめざしているが、今のアパートでは難しいかな。
やはり、周りの家の庭にもそれなりの草木が繁っていて、有機的な繋がりがほしい。
湿った岩場を好むので、裏庭に石や瓦を積んでおくとよいかも。
餌も含めて、蛇の暮らせる環境になったとき、
ある晩時元の扉が開いて、ヘビがワープして来るよ。
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