漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「开ケイ」<①首かせ ②鋳型の外枠>と「刑ケイ」「形ケイ」「型ケイ」

2014年02月12日 | 漢字の音符
 ケイ             

解字 开ケイは独立してある字ではない。ここにあげた金文・篆文の字体は、刑・型・形の字から开の部分を抜き出したものである。それによると、金文は「井」のかたち、篆文は「丼・幵」のかたちをしている。原字のかたちをよく示すのは金文である。[字統]によると、井は①首かせ、②鋳型の外枠、の2種の意味をもつという。首かせは、井の真ん中に頭をいれたのであろう。鋳型の外枠は、鋳込みをする型を固定する外側の井型の枠を示していると思われる。いずれも楷書で开に変化した。ちなみに开の字は、現代中国で「開」の簡体字として使われている。この开も簡体字を使っている。(なぜか太字になってしまい、見にくいがご了承ください)

イメージ 
 「首かせ」
(刑・荊)
 「鋳型の外枠」(型・形)
音の変化  ケイ:刑・荊・型・形

首かせ
 ケイ・しおき  刂部
解字 「刂(刀)+开(首かせ)」 の会意形声。人を首かせにはめ、刀で罰すること。
意味 しおき・おきて・罰する。「処刑ショケイ」「刑場ケイジョウ」「刑罰ケイバツ
 ケイ・いばら  艸部
解字 「艸(草木)+刑(しおき)」 の会意形声。しおきに使う木のむちの意で、むち及びむちの材料となる木をさす。また、棘キョク・茨とともに、とげのある低木の総称として使われ、現在ではこの意味が主流になっている。
意味 (1)にんじんぼく。クマツヅラ科の落葉低木で、昔、罪人をたたく杖やムチの材料とした。 (2)むち。 (3)いばら(荊)。うばら。とげのある低木の総称。「荊棘ケイキョク」(荊も棘も、いばらの意)「荊冠ケイカン」(いばらの冠。受難のたとえ) (4)国および州の名。「荊州ケイシュウ」(中国古代九州の一つ)「荊楚ケイソ」(楚の国のこと)

鋳型の外枠
 ケイ・かた  土部
解字 「土+刂(刀状のもの)+开(鋳型の外枠)」 の会意形声。土で作った鋳型の外枠のこと。刂(刀)は、鋳型の内側を整形するために使う。
意味 (1)かた(型)。いがた。もとになる形。「鋳型いがた」(溶かした金属を注いで鋳物のかたちをつくるための型)「原型ゲンケイ」「型紙かたがみ」 (2)模範となるもの。てほん。「典型テンケイ」 (3)基本の動作(柔道・能楽など)「型が決まる」
 ケイ・ギョウ・かた・かたち  彡部
解字 「彡(模様)+开(=型)」 の会意形声。型で作られたものに模様や色どりをつけたもの。型は、いがた。形は、型から抜いたもの。
意味 (1)かた(形)。かたち(形)。「図形ズケイ」「人形ニンギョウ」 (2)ありさま。すがた。「形勢ケイセイ」 (3)あらわれる。あらわす。「造形ゾウケイ
<紫色は常用漢字>

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