生 セイ・ショウ・いきる・いかす・いける・うまれる・うむ・はえる・き・なま 生部
解字 甲骨文字は草の象形である屮テツが一印の地面から生える形、転じて、「うまれる」意に用いられている[甲骨文字辞典]。金文は草の茎にあたる部分に丸印、篆文は一がつき、結局「屮(草の芽生え)+土」の会意となった。漢代の役人などが使用した隷書では草の形が角ばった形になり、その一方が残り、ノに変形したのが現代字の生となった。はえる・うまれる意となる。
意味 (1)はえる(生える)。はやす(生やす)。草木が芽をだす。「野生ヤセイ」(2)うむ(生む)。うまれる(生まれる)。「出生シュッセイ」「生産セイサン」(3)いきる(生きる)。いかす(生かす)。「生活セイカツ」「生存セイゾン」(4)いのち。「生命セイメイ」(5)まじり気のない。き。なま。「生一本キイッポン」
参考 生は、部首「生いきる」になる。漢字の左辺・右辺・下部について、生む・生まれる意を表す。しかし、この部は非常に少なく、常用漢字では生のほか産サン「彦の略体(額に入れ墨をする)+生(うまれる)の会意」のみ。その他の主な字には、甥セイ(男+音符「生セイ」)、甦ソ「更(かわる)+生(うまれる)の会意」、の2字がある。
イメージ
「うまれる」(生・姓・甥)
「うまれつき」(性)
「いきている」(牲)
「形声字」(笙・旌)
音の変化 セイ:生・姓・甥・性・牲・旌 ショウ:笙
うまれる
姓 セイ・ショウ・かばね 女部
解字 「女+生(うまれる)」の会意形声。女から生まれる子へとつながる血筋。古代の母系制の名残を残す字。
意味 (1)みょうじ。うじ。氏族や家の固有の名。血縁集団の名称。「姓名セイメイ」(名字と名前)「百姓ヒャクショウ」(百の家系。一般の人民。農民)(2)かばね(姓)。古代豪族が地位を示すため世襲した称号。臣・連など。「姓氏セイシ」(かばねとうじ)
甥 セイ・ショウ・おい 男部
解字 「男+生(うまれる)」の会意形声。姉妹の男子として生まれた子。女系の同族者をいう語のひとつ。
意味 (1)おい(甥)。姉または妹の息子。日本では兄弟姉妹の男の子をいう。「甥舅セイキュウ」(おいとおじ)(2)むこ。娘の夫。
うまれつき
性 セイ・ショウ・さが・たち 忄部
解字 「忄(心)+生(うまれつき)」の会意形声。生まれつきもっている心。
意味 (1)生まれつき。さが(性)。たち(性)。「性格セイカク」「性分ショウブン」(2)物事の本質。「性能セイノウ」(3)男女の区別。「性別セイベツ」「性交セイコウ」
形声字
笙 ショウ 竹部
煤竹笙(「笙〜響きの器〜」より)
解字 「竹(たけ)+生(ショウ)」の形声。細い竹を環状に囲んだ管楽器を笙ショウという。雅楽の管楽器で、奈良時代に中国から伝来した。
意味 しょう(笙)。しょうのふえ。長さの異なる竹の管17本を環状に立てた楽器。「笙歌ショウカ」(笙と歌)「笙鼓ショウコ」(笙とつづみ)「鳳笙ホウショウ」(笙の別称。鳳凰ホウオウが羽を休めている形をしていることから) 旌 セイ・はた 方部
解字 「方𠂉(旗の略体)+生(セイ)」の形声。旗ざおの先から垂れさがる飾りのついた旗を旌セイという。また、旗の総称として用いられる他、表彰する・ほめる意ともなる。 旌(中国のネットから)
意味 (1)はた(旌)。旗の総称。「旌旗セイキ」(はた。旗の総称)「旌旗セイキ空を蔽(おお)う」(軍勢のさかんなさま)「旌節セイセツ」(節度使[使者]が持つ旗)(2)あらわす。ほめる。表彰する。「旌表セイヒョウ」(ほめて表す)「旌嘉セイカ」(表彰する)「旌顕セイケン」(人の善行をあらわしあきらかにする)
いきている
牲 セイ・いけにえ 牛部
解字 「牛(うし)+生(いきたままの)」の会意形声。生きたまま神にそなえる牛。
意味 (1)いけにえ(牲)。祭礼のとき神に供える家畜。「牲殺セイサツ」(いけにえ。いけにえは殺して用いるのでいう)「牲牢セイロウ」(いけにえ)(2)ある目的のために生命や名利を捨てる人。「犠牲ギセイ」
<紫色は常用漢字>
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