北方領土の「ビザなし交流」の日本側訪問団に同行した某国会議員が、国後島で酒に酔った状態で暴言を吐いた問題で、自民党と公明党が「けん責決議案」を提出しました。常用漢字でないため新聞などで「けん責」と書かれる「けん」とはどんな字なのでしょうか。音符「遣ケン」から説明します。
遣 ケン <軍隊をつかわす>
遣 ケン・つかわす・つかう・やる 之部
解字 甲骨文は祭肉(𠂤タイ)を両手で持つかたちで祭祀名として用いられている[甲骨文字辞典]。金文は、さらに彳(ゆく)と止(あし)が加わり、祭肉を持って行くかたち。この祭肉は軍を意味することが多く、金文で軍を派遣する意で使われる。字体は篆文をへて現代字は、辶(ゆく)に「中+一」(両手で持つの変化形)+㠯(祭肉)」がついた遣となった。意味は軍の派遣のほか、つかわす・さしむける意となる。祭肉は本来、𠂤タイで表される(例:追)が、遣の字では略体の㠯になっている。(この略体も官などで使われている)
意味 (1)つかわす(遣わす)。やる(遣る)。さしむける。「派遣ハケン」「遣唐使ケントウシ」 (2)[国]つかう(遣う)。使用する。「金遣(かねづか)い」「仮名遣(かなづか)い」(3)~しむ。せしむ。使役の助字。
イメージ
「軍隊をつかわす」(遣・譴)
「その他」(鑓)
音の変化 ケン:遣・譴 やり:鑓
軍隊をつかわす
譴 ケン・せめる 言部
解字 「言(ことば)+遣の旧字(軍隊をつかわす)」 の会意形声。軍隊をつかわし武力を背景にして話すこと。威圧的に相手をせめる・とがめる意となる。
意味 (1)せめる(譴める)。とがめる。とがめ。「譴責ケンセキ」(①あやまちや不正をきびしくとがめ、責めること。②公務員などの過失にたいする懲戒処分のひとつ)「呵譴カケン」(しかりせめる=呵責)(2)とがめ。つみ。「天譴テンケン」(天のとがめ。天罰)
その他
鑓 <国字> やり 金部
解字 「金(金属)+遣の旧字(やり=やるの連用形)」 の会意。遣ケンは日本語で「やる(遣る)」の訓があり、その連用形「やり(遣り)」を鎗(やり)に掛けた国字。
意味 やり(鑓)。やり(槍)。やり(鎗)。武器の一種。長い柄の先に先を尖らせた刃をつけた武器。
<紫色は常用漢字>
遣 ケン <軍隊をつかわす>
遣 ケン・つかわす・つかう・やる 之部
解字 甲骨文は祭肉(𠂤タイ)を両手で持つかたちで祭祀名として用いられている[甲骨文字辞典]。金文は、さらに彳(ゆく)と止(あし)が加わり、祭肉を持って行くかたち。この祭肉は軍を意味することが多く、金文で軍を派遣する意で使われる。字体は篆文をへて現代字は、辶(ゆく)に「中+一」(両手で持つの変化形)+㠯(祭肉)」がついた遣となった。意味は軍の派遣のほか、つかわす・さしむける意となる。祭肉は本来、𠂤タイで表される(例:追)が、遣の字では略体の㠯になっている。(この略体も官などで使われている)
意味 (1)つかわす(遣わす)。やる(遣る)。さしむける。「派遣ハケン」「遣唐使ケントウシ」 (2)[国]つかう(遣う)。使用する。「金遣(かねづか)い」「仮名遣(かなづか)い」(3)~しむ。せしむ。使役の助字。
イメージ
「軍隊をつかわす」(遣・譴)
「その他」(鑓)
音の変化 ケン:遣・譴 やり:鑓
軍隊をつかわす
譴 ケン・せめる 言部
解字 「言(ことば)+遣の旧字(軍隊をつかわす)」 の会意形声。軍隊をつかわし武力を背景にして話すこと。威圧的に相手をせめる・とがめる意となる。
意味 (1)せめる(譴める)。とがめる。とがめ。「譴責ケンセキ」(①あやまちや不正をきびしくとがめ、責めること。②公務員などの過失にたいする懲戒処分のひとつ)「呵譴カケン」(しかりせめる=呵責)(2)とがめ。つみ。「天譴テンケン」(天のとがめ。天罰)
その他
鑓 <国字> やり 金部
解字 「金(金属)+遣の旧字(やり=やるの連用形)」 の会意。遣ケンは日本語で「やる(遣る)」の訓があり、その連用形「やり(遣り)」を鎗(やり)に掛けた国字。
意味 やり(鑓)。やり(槍)。やり(鎗)。武器の一種。長い柄の先に先を尖らせた刃をつけた武器。
<紫色は常用漢字>