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カナダ太平洋岸に鉄120トン散布、小村の「海洋肥沃化」実験が物議

2012-10-23 | 先住民族関連
AFP=時事 10月22日(月)16時51分配信
【AFP=時事】カナダ太平洋岸の先住民の村が、海に鉄粉を散布して植物プランクトンを増やす「海洋肥沃化(ocean fertilization)」を実施し、物議を醸している。
温暖化対策「海への鉄分散布」は人体に有毒、カナダ研究
 オールドマセット(Old Massett)村は8月、米国人実業家のラス・ジョージ(Russ George)氏との共同プロジェクトで、カナダ太平洋岸にある群島ハイダ・グワイ(Haida Gwaii、旧名:クイーンシャーロット諸島)の西岸沖に漁船で硫酸鉄120トンを散布した。
 環境活動家や先住民団体、科学者らはこのプロジェクトが海洋肥沃化を禁じた国際法に違反していると批判。前週までインド・ハイデラバード(Hyderabad)で開催された国連(UN)の「生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)第11回締約国会議(COP11)」でも、この問題は議題に取り上げられた。
■カナダ当局が黙認? 
 しかしオールドマセット村は19日、プロジェクトの存在はカナダ政府当局も知っていたのに中止要請はなかったと反論。国際法を始め法律に違反した行為は一切行っていないと主張した。
 海洋肥沃化プロジェクト実行団体の1人であるオールドマセット村のジョン・ディズニー(John Disney)氏は記者会見で、「政府はわれわれのしていることを正確に把握していた」「作業は公海で行われており、合法だ」などと発言。同プロジェクトは国際法や科学的手順を順守していると主張したほか、カナダ連邦当局の少なくとも7機関が散布計画の存在を知っていたと述べた。
 一方のカナダ政府は、プロジェクトへの関与を否定している。ピーター・ケント(Peter Kent)環境相は報道官を通じては18日、同問題の調査を8月30日に開始したことを明らかにした。
■2つの目的
 同村によると、プロジェクトの目的は2つある。1つは鉄粉の散布によって、海洋生態系が活性化し地域の文化・経済の柱であるサケの生息数が増加するかどうかを確認することだ。もう1つは、鉄粉により海中の植物プランクトンを増やし、これに二酸化炭素(CO2)を吸収させることで将来的にCO2排出取引を通じて利益を得ることが可能かを確かめることだという。
 プロジェクトの資料によれば、8月の散布以降、該当海域の生物活動が活発になっていることが衛星写真で確認できたという。
■大半の科学者は否定的
 ただ、ブリティッシュ・コロンビア大学(University of British Columbia)の海洋学者、エフゲニー・パホモフ(Evgeny Pakhomov)氏はAFPの取材に対し、海洋に鉄を散布する手法はもはや古い発想だと指摘した。
 同氏によると、これまでも小規模な肥沃化実験が行われてきたが、海洋の酸性化など予期せぬ結果を招くなど仕組みがまだよく分かっていないことから、大半の科学者はこの手法に否定的だという。【翻訳編集】 AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2908454/9719654?ctm_campaign=txt_topics

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バイキングの開拓地、バフィン島で発見

2012-10-23 | 先住民族関連
マイナビニュース  [2012/10/22]
 10月にカナダで開かれた会合で、考古学者のパトリシア・サザーランド(Patricia Sutherland)氏が、新たなバイキングの開拓地の強力な証拠を発見したと発表した。
 カナダ、ニューファンドランド・メモリアル大学の非常勤教授(考古学)でスコットランド、アバディーン大学の研究員でもあるサザーランド氏率いるチームは、カナダ北極圏のバフィン島で何世紀も前の建物遺跡を発掘しているとき、非常に興味深い砥石を発見した。刃物を研いで刻まれた溝には、青銅などの銅合金の痕跡が残っていた。バイキングの鍛冶職人は銅合金を材料としていたが、北極圏の先住民には広まっていない。
 バイキングの船乗りたちが、西暦1000年前後に新世界を目指して船出したことは以前からわかっている。
 1960年代、ノルウェーの研究者ヘルゲ・イングスタッド(Helge Ingstad)とアン・スタイン・イングスタッド(Anne Stine Ingstad)が、ニューファンドランド島北端のランス・オ・メドー(L'Anse aux Meadows)でバイキングのベースキャンプを発見した。バイキングによる南北アメリカの開拓が初めて確認されたのだ。989年から1020年の間に築かれ、集会所が3つあったほか、機織りや鉄鋼、船の修理のための小屋が建てられていた。
◆バイキングの糸
 サザーランド氏は1999年、バイキングがほかの場所にも立ち寄った可能性に気付いた。そのきっかけは、ある考古学者がバフィン島の遺跡から発掘し、ケベック州ガティノーのカナダ文明博物館に所蔵されていた2本の珍しいひもだ。
 北極圏の狩猟者は動物の腱をより合わせてひもを作るが、バフィン島のひもは全く別のタイプに見えた。バイキングの糸によく似ていて、その技法は14世紀のグリーンランドに住んでいたバイキングの女性による熟練技と同じだった。
 興味をそそられたサザーランド氏は、最も有望な場所で発掘を再開する。バフィン島南東の沿岸にあるタンフィールドバレー(Tanfield Valley)だ。1960年代、アメリカの考古学者モロー・マクスウェル(Moreau Maxwell)が、石と芝生でできた建物の一部を発掘している。サザーランド氏は、バイキングの船乗りが建てたのではないかと考えた。
◆青銅、真ちゅう、鉄によって刻まれた手掛かり
 サザーランド氏のチームは2001年からタンフィールドバレーの調査を開始。謎の遺跡の名残を慎重に掘り出すと、予想通りバイキングの船乗りを示すさまざまな証拠が見つかった。皮を剥がれてばらばらになった旧世界のネズミ。グリーンランドに定住したバイキングが芝生を切るために使っていた形状と似ているクジラヒゲのシャベル。ヨーロッパの石工に精通した人物が切断、成形したと思われる大きな石。そして、バイキングの糸や砥石も出てきた。さらに石の遺跡自体が、グリーンランドにあるバイキングの建物と驚くほど似ている。
 謎を解く手掛かりをサザーランド氏は、カナダ地質調査所(Geological Survey of Canada)に求めた。エネルギー分散型X線分析と呼ばれる手法を用い、タンフィールドバレーを含む複数の遺跡で発掘された20以上の砥石の溝を調べた。その結果、顕微鏡でしか見えないほどの青銅や真ちゅう、精錬された鉄の筋が見つかった。これはヨーロッパの冶金が介在した明確な証拠だ。サザーランド氏は7日、カナダのセント・ジョンズ(St. John's)で開かれた北アメリカ北東部歴史考古学評議会(Council for Northeast Historical Archaeology)の会合で、この研究成果を発表した。
◆北欧とアメリカ先住民の貿易網?
 サザーランド氏は、バイキングの船乗りがカナダの北極圏への旅に出たのは貴重な資源を探すためだったと推測している。当時の北欧では、セイウチの牙や北極圏の動物の柔らかい毛皮といった北方の贅沢品が中世の貴族の間でもてはやされていた。北極圏のアメリカ先住民はこうした品々をすぐに用意できた。バフィン島の海はセイウチが豊富で、沿岸にはホッキョクギツネをはじめとする小型の毛皮動物がいくらでもいた。バイキングはそうした品々と、置物などに加工できる鉄や木の塊を物々交換していた可能性が高いとサザーランド氏は話す。
 もしサザーランド氏が正しければ、同氏が発見した一連の証拠は新世界の歴史の未知なる章を開くかもしれない。バイキングの船乗りとアメリカ先住民の狩猟者が、大西洋を横断する貿易網のパートナーだったという新たな一章だ。「この地域で起こっていたことは、多くの人が思っているよりはるかに複雑だった。私はそう考えている」とサザーランド氏は述べた。
Heather Pringle for National Geographic News
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/nationalgeographic/2012/10/post-82.html

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北大でアイヌ文化のエコツアー 札幌

2012-10-23 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2012年10月22日
 札幌市北区の北海道大学と周辺で21日、「アイヌ文化を学ぶエコツアー」が開かれた。アイヌ民族の講師が遺跡や自然について語り、冷たい風のなか、15人の参加者が熱心に耳を傾けた。
 市主催の「アイヌ文化体験講座」の一環。北大構内には竪穴住居跡などが10カ所以上ある。講師の楢木貴美子さん(64)は「明治時代には川が流れてサケが上り、アイヌのコタン(集落)もあったのです」。案内しながら、目にするキハダの実やアシタバ、イタドリなど草木の食べ方や使い方を次々と説明した。
 参加者は「北大にもこういう遺跡があると知り驚いた」「草や実が本当に食べられた。ためになった」などと感想を話していた。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001210220002

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アイヌ民族の眠れる宝 札幌市扱い検討へ

2012-10-23 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2012年10月21日
■札幌市が保管 30年余
■地元百貨店寄贈 装飾品など1400点
 アイヌ民族の装飾品や衣装、器など約1400点が、札幌市の関連施設で三十数年間、ひっそりと収蔵されている。地元百貨店から半世紀余り前に寄贈され、一部は観光名所の時計台で展示されたこともあったという。市は改めて調査や整理をした上で、将来の再展示も含めて対応を検討するとしている。
 収蔵品は、アイヌ民族の首飾りや衣装、刀、さや、ござ、塗り物の器などだ。品目別に整理箱に収納、保管されている。
 市によると、1960(昭和35)年に地元百貨店の丸井今井から贈られた。同社の「丸井今井百年のあゆみ」(73年発行)には、昭和初期にアイヌ民族の工芸品収集ブームが起こり、装飾品や衣装などが道外へ流出し始めたため、当時の支配人が流出の一歩手前で買い取ったとある。
 戦後、札幌本店2階に北海道郷土室を開設するなどして展示。多くの見学客が訪れたという。
 札幌市が時計台に郷土室を開設するにあたって、同社が市へ寄贈。一部が展示されていたが、時計台の活用方法の変更もあって、76年以降は時計台の収納庫に保管された。95年からの保存修理工事に際して、時計台から同市中央区内の施設に移された。
 別の文献にも、この品々の経緯に触れたとみられる記述があるが、市文化財課は丸井今井から寄贈されたものとしている。
 時計台に保管当時、収蔵品リストの作成を市から委託された郷土史研究家は、「(丸井今井が買い取る前は)個人のコレクターが収集したものだったようだ」と話す。
 同課は、関係部署とも協議しながら、専門家による調査をした上で、展示を含めた活用方法や収蔵のあり方などを検討していきたいとしている。ただ、点数が多いことから調査にはかなりの時間がかかりそうだ。
(泉賢司)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001210220011

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