先住民族関連ニュース

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大阪)「土人発言を考える」 沖縄タイムス編集委員語る

2016-11-30 | ウチナー・沖縄
朝日新聞 2016年11月30日03時00分

謝花直美さん
 沖縄県北部の米軍施設工事に反対する人に府警の機動隊員が「ぼけ、土人が」などと言い放ったことを考える講演会が26日、大阪市であった。沖縄タイムス編集委員謝花(じゃはな)直美さん(53)は差別意識にあきれつつ、「だからなに?とあしらう力が沖縄に出てきている」と語り、経済界も加わるオール沖縄の動きを紹介した。
 謝花さんは「歴史をつなげて考えて欲しい」と話し、戦後すぐに米軍に地元新聞がつぶされたことや、沖縄やアイヌの人たちが見せ物にされた「人類館事件」(1903年)などを紹介。「沖縄は同化を強いられ、同化を選んできた」とふりかえり、ときには卑屈になるしかなかった沖縄の歩みをたどった。
 本土側の意識について、観光地や歌手の活躍など「見たいものだけを見ている」。「根っこにあるものは変わっていない」とも語り、それが今回の土人発言につながったと指摘した。(下地毅)
特集:沖縄はいま http://www.asahi.com/special/okinawa/
http://www.asahi.com/articles/ASJCX4FGTJCXPTIL00W.html

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東京)アイヌ民族姉妹のドキュメンタリー、渋谷で上映中

2016-11-30 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2016年11月30日03時00分

デュオの初めてのライブで歌う絵美さん(左)と富貴子さん姉妹(C)office+studioT.P.S/OLIO FILMS
 北海道の阿寒湖畔と東京で暮らすアイヌ民族の姉妹を追ったドキュメンタリー映画「カピウとアパッポ~アイヌの姉妹の物語~」が渋谷区で上映されている。アイヌの歌とともに育った姉妹が、福島第一原発事故を機に、故郷で2人のユニットを結成しデビューするまでの葛藤や喜びを描いた。佐藤隆之監督(55)は、「生活があり、歌があるんだ、というのはみな同じなんだと感じてもらいたい」としている。
 主人公は姉の絵美さん(42)と妹の富貴子さん(40)。北海道釧路市の阿寒湖畔のアイヌコタン(集落)で育ち、小さいころから伝えられてきたアイヌ語の歌を一緒に歌ってきた。就職でともに大阪に出た後、絵美さんは東京に住みライブ活動を、富貴子さんは地元に戻って遊覧船で歌うなどと、別々に歌ってきた。
 2011年3月の福島第一原発事故で、絵美さんが子どもたちを連れて車で故郷に避難してきた。その際に、姉妹の母親らが知らぬ間に2人のライブをすると決め、葛藤しながらユニットとしてデビューをする。映画の最後は初ライブで、アイヌの伝統の輪唱「ウコウク」で、声質が似ている2人が声を重ねていき、美しさで観客を魅了している姿が描かれている。
 映画では、2人が母親として子どもたちと過ごす日常や、歌うことは何なのかを語り合う場面なども追っている。
 佐藤監督は東京でタクシードライバーをしながら5年がかりで完成させた。「姉妹それぞれの踊りや歌を見て、すてきだなあ、と撮り始めました。生活によって人ができ、歌ができるということを見せたかった」としている。
 ライブの翌年に絵美さんは子どもたちと故郷に戻り、ユニットとして東京や札幌などでライブを行っている。絵美さんは「姉妹だから遠慮なく歌える。面白い」。富貴子さんは「ライブが初めてで、いざ目の前にくると不安でした。姉と声をあわせてみて、姉がテンションがあがってそう行くのならこう行こうかな、と。やりとりの楽しさに気づきました」。
 映画は112分。上映は12月2日まで、夜9時から渋谷区円山町1丁目のユーロスペースにて。中学生以下500円、高校生800円、大学生1400円、60歳以上1200円、一般1700円。(青木美希)
http://digital.asahi.com/articles/ASJCJ31R3JCJUTIL002.html?_requesturl=articles%2FASJCJ31R3JCJUTIL002.html&rm=499


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ニール・ヤング、ドナルド・トランプとパイプライン建設をめぐって長文のテキストを投稿。全文訳を公開

2016-11-30 | 先住民族関連
http://nme.com (風刺記事) (プレスリリース) (ブログ)- 2016.11.29 火曜日

Photo: GETTY
ニール・ヤングは自身のフェイスブックで長文のテキストを公開し、大統領に選ばれたドナルド・トランプから、建設が議論を呼んでいるダコタ・アクセス・パイプラインへの抗議運動について述べている。
現在71歳のニール・ヤングは現地時間11月28日にアメリカが直面している問題に対する自身の考えを表明し、サンクスギビング・デイの由来について「嘘」だと語るところからテキストを始めている。
その全文訳は以下の通り。
https://www.facebook.com/NeilYoung/videos/10157769848485317/
「メイフラワー号でアメリカ大陸に最初にやってきたピルグリム・ファーザーズたちがアメリカの原住民と一緒に収穫を祝福し、パンを焼いて、分け合ったという1621年秋のプリマスのプランテーションでの祭事の物語は嘘なんだ。この物語はいまだに人を鼓舞するものとして使用され、子供たちに伝えられ、感謝の美しさを教えている。
しかし、このサンクスギビングにまつわる物語が偽りの歴史であることは広く知られている。この物語は広大な大陸の元々の先住民に行使されたひどい大量虐殺をごまかすために作られたものだ。ヨーロッパ人は先住民を殲滅させようとしただけでなく、彼らの文化や言語を骨抜きにし、彼らをこの誰もが欲しがる土地から排除しようと、あらゆる努力を傾けてきたのだ。
プリマス・ロックからスタンディング・ロックまで、この嘘は僕らのサンクスギビング・デイを、大きい種族から小さな種族まで我々の前に住んでいた先住民を偲ぶ日に変えてしまった。
数週間前、ノース・ダコタ州のスタンディング・ロック・スー族のところを訪れたんだ。到着すると、500を超える部族やたくさんの人々が前例のない形で集まり、水を保護し、最も基本的な人間の真実を表明するために(パイプライン開発の)前線に立っていたんだ。彼らは水こそが命だと訴えてたんだよ。痛ましい歴史があるにもかかわらず、彼らは今日も僕らのために平和的に闘っているんだ。
冬がくるにつれ、さらに勢いは増すだろう。ライフラインの保護のために彼らは蜂起しただけでなく、アメリカ先住民の文化や主権を公正に保存するためにも立ち上がっている。僕らが話をした人々はみんな平和的な抗議をしてたね。武器も、アルコールも、ドラッグもそこでは禁じられていたよ。
水の保護を祈って蜂起することは、生命というものが自然と相互に関わり合っていること、伝統的な考え方が固有の価値と重要性を持っていること、そうしたことを深く根付いた部分で僕らが知っていることを示している。この拡大している運動は、愛から生まれたものであり、愛するものを守るという最も人間的な本能によるものだ。熱心に参加している若者がこのパイプライン反対運動の中心にいて、彼らは年配の人々から忘れてはいけない知識を受け継ぐため学んでいるんだよ。
これは目覚めなんだ。不要で暴力的で理不尽な侵略を前にして、部族ではない親族も含めみんな一緒になって、ここで強く立ち上がっているんだ。武装化した地元や州の警察や州兵に対してね。こうした人々はダコタ・アクセス・パイプラインの利益を享受する人々の関心を守るために行動しているように見えるよ。パイプラインに懸念を示している多くの納税者の税金を使ってね。企業の治安部隊や群保安官、州兵に対して蜂起しているんだ。水放射や警棒、催涙弾、ゴム弾に打たれながら向かってるんだよ。武器を持たずに蜂起し、祈り、氷点下のなか人権侵害に持ちこたえているんだ。いろんな場所から援助が到着し、ソーシャル・メディアの世界ではこの心を痛めるニュースが世界中に共有されている。でも、アメリカのメディア企業は報じる自由がないんだ。そうやってアメリカ企業の醜悪さを世界中に示しているんだよ。
でも、水放射で髪が凍るなか、彼らは蜂起してるんだ。彼らは善のために蜂起し、強く耐えているんだ。
バラク・オバマ大統領、あなたにお願いがあるんだ。スタンディング・ロックの平和的な抗議者への暴力について介入して、ただちに止めてほしいんだ。
僕らは抗議者たちを支援するために、あの場所にもう一度戻ることになるだろう。彼らが受け継いできた古の知恵への感謝と畏敬の念を持って、真の感謝を示すこの機会を大切に思って、一緒に蜂起しよう。前に進む道を自分たちに与えるために。生き残るための道を指し示すために。僕らは支援と敬意を捧げるよ。彼らは勇敢な人々だ。彼らには感謝の思いを持っている。
こうした運動に象徴されるように、アメリカの驚きの大統領も機会を豊富にもたらしてくれることになるよ。僕らの世代の大きな問題が光り輝いて、これまでになくそれに気づくことになるんだ。海から光り輝く海まで、スタンディング・ロックからウォール・ストリートまでね。
驚きの大統領は人気投票の勝者でもないし、理想を変更する権限も持っていない。覚えておいてくれ、200万人以上も多くの人がもう一人の候補者に投票してたんだ。
驚きの大統領は自由世界の指導者でもない。世界の200の国は石油やガスや石炭産業の利益を超えて、科学のほうを信じ、歯止めの効かない気候変動から未来を守るために一緒に取り組んでいるんだ。
驚きの大統領は気候変動科学者やその警告を信用しないと言ってるね。彼の発言と行動はその問題が存在し、破壊的なものであることを指し示しているよ。
驚きの大統領の内閣参加者にも怖がらないでほしい。彼らは黄金のエスカレーターを下に降りてるんだ。人種差別的な振る舞いをする人はあなたの指導者ではない。金ピカのタワーはあなたのものじゃない。ホワイト・ハウスこそがあなたの家なんだ。
抑圧に対する自由のもと活動を拡大させていくこと、気候変動に取り組むこと、破壊的な過去の産業を安全で再生可能なエネルギーに代替していくこと、この星の未来について総体的なバランスで考えることを推し進めていくこと、こうした運動はより強まり、僕らに持続的な光をもたらしてくれるだろう。これらの価値あるゴールは全世界の子供や、その子供の世代で実現するに違いないんだ。
これは真実のための節目なんだ。
怖がらずに、立ち上がり、打ち勝つんだ。力を貸そう。スタンディング・ロックの兄弟や姉妹のようになるんだ。可能であれば、あの場所に行ってみてくれ。僕らが国民として240年を超える歳月で実現してきた進化は、いつだって最初は人民から生まれたものだったんだ。
感謝を。
ニール&ダリル」
ニール・ヤングは12月2日にニュー・アルバム『ピース・トレイル』をリリースすることを発表している。
アルバムはリック・ルービンの所有するシャングリラ・スタジオでレコーディングされたとのことで、プロデュースはニール・ヤング本人とジョン・ハンロンが手掛けている。
プレス・リリースによれば、10曲を収録するアルバムの全曲は今年7月にリリースされたライヴ・アルバム『アース』のリリース後に書かれたという。
http://nme-jp.com/news/30149/


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新たな北方領土問題解決の糸口!? 「知床世界自然遺産」拡張構想

2016-11-30 | アイヌ民族関連
日刊SPA 2016.11.29

11月20日(現地時間19日)、安倍首相はAPEC首脳会議のため訪問したペルーの首都リマでロシアのプーチン大統領と会談。北方領土問題を中心に話し合った。 写真/時事通信社
 12月15日に山口県長門市で行われる日露首脳会談を控えて「まず二島返還か、あくまで四島一括返還か」など、北方領土問題が大きな話題となっている。
 その中で、危機的状況にある北方領土の自然環境と水産資源を守る切り札として、「知床世界自然遺産の登録範囲を知床半島から北方四島の北隣まで広げる」という構想が、新たな北方領土問題の解決方法としていま期待されている。
 これを提唱しているのは、知床の世界自然遺産登録に尽力した「日露平和公園協会」の午来昌理事長(元斜里町町長)。午来理事長に話を聞いた。
海・陸ともに破壊の進む北方四島を日露共同で保全
――北方四島は「世界的な観光地になりうる」という話を耳にする一方、「水深20m以下ではウニが捕れない」とダイバーたちが話すなど、水産資源は枯渇寸前です。陸地の自然環境も開発ラッシュで危機的状況だと聞きました
午来:だからこそ貴重な水産資源と生態系を守るために「知床の世界自然遺産拡張」が必要なのです。安倍晋三首相が掲げている「新たなアプローチ」に、この構想実現を盛り込んでほしいと思っています。今は、知床半島側だけの“片肺飛行”ですが、これを北方四島の北隣まで広げる。そして世界自然遺産として注目される中で、日露で自然環境を保全し、持続可能な漁業で水産資源枯渇も防ぐというものです。
 2005年に知床は「北半球で最も南まで流氷が到達する、特異な生態系を有する」として世界自然遺産に登録されました。その際に国際的環境団体(IUCN)から「類似性がある近隣諸島(北方四島など)を『世界遺産平和公園』として発展させることも可能」だと指摘されています。しかもこの構想は両国の領有権(主権)に影響を与えるものではなく、日露双方が受け入れることができるもので、実現可能性が高い。
北方四島を国際的観光地&「アイヌの知恵」発信の拠点に
――そうすれば、北方四島のエコツアーもできるようになり、知床と北方四島が国際的な観光地になることも夢ではないと。11月24日に、衆議院第二議員会館で鈴木宗男・新党大地代表を直撃したのですが、これについて「いい構想だ」と答えました。
午来:北方四島は「北半球最後の秘境」だという専門家もいます。その生態系を守りつつ、持続可能な漁業も徹底すれば、日本が高度経済成長期に失った原始的自然と水産資源の宝庫となるのは確実。ですから「世界的な環境問題を解決する手段になる」と考えて運動を続けています。鈴木宗男さんには評価をしていただきましたので、ぜひ安倍首相にも伝えて欲しいと思っています。
 それから私は、北方四島を「アイヌ民族の知恵」を世界に発信する拠点にしたいとも思っています。北方四島には縄文時代からアイヌ民族が住んでいました。何千年にわたって彼らは川からも海からも森からも必要なものだけしか採らなかった。全てのものを神として祭りながら、そして自然を大事にして生き永らえてきた。
 自然環境の破壊や水産資源の枯渇が国内外で深刻化している今こそ、アイヌ民族の生き方を学ぶ必要がある。それをこの地で実践して、お手本として発信する。その持続可能な生き方は、世界的に求められているものであるからです。
 私の小さい頃は「アイヌは日本人よりも下だ」という教育を受けました。地元ウトロ中学校のとき、同級生とケンカをして「おまえはアイヌじゃないか」と見下して言ったことがありました。
 私はいま80歳ですが、一度会って同級生に謝りたい。世界自然遺産登録に取り組んで来た私の人生を振り返ってみると、「アイヌ民族はすごいことをやってきたのだな」と思います。でも、日本の学校ではこのことを教えてこなかった。
 だからこそ、この構想実現で北方四島を国際的観光地にすると同時に、アイヌ民族の智恵を発信する場にしたいのです。いま二島返還交渉を急ぐ必要はありません。北方四島全体を長期的に見据えたグローバルな取り組みが必要なのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「知床の自然とアイヌの文化を大事にすることで、北方領土問題を解決したい」と語る午来理事長。日露首脳会談では進展があるのだろうか?
 こうした構想が注目される一方、北方領土問題解決をからめた「経済協力」で、多額の税金が使われるようになるのではとも懸念されている。
 『週刊SPA!』11月29日発売号掲載の特集記事「バラまかれる北方領土予算のカラクリ」では、シベリア鉄道北海道延伸計画、天然ガスパイプライン計画など、領土問題をネタにして進む経済的合理性なき構想についてリポートした。
取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)
http://nikkan-spa.jp/1246239

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来年3月まで樽前山のある風景展 苫小牧市美術博物館

2016-11-30 | アイヌ民族関連
苫小牧民報(2016年 11/29)

樽前山をテーマにした収蔵作品を一堂に公開
 苫小牧市美術博物館は来年3月まで、コレクション展「樽前山のある風景」を開いている。前期、後期に分けて樽前山が描かれた同館収蔵の絵画作品を展示している。今月中旬に始まった前期では、初公開作品も6点登場。古い資料を交え、噴火前、噴火時の樽前山の姿なども紹介している。
 コレクション展は、目に触れる機会の少ない収蔵作品を紹介する企画。前期は12日に始まり、来年1月15日まで、後期は1月21日~3月12日で一部作品を入れ替える。
 前期は、川上澄生や能登正智などの樽前山をテーマにした絵画、版画など16点を展示。遠藤ミマン、小出昭三などの初公開作品もある。
 活火山を扱った芸術作品の魅力を紹介。担当の福田絵梨子学芸員は「噴煙が描かれていることで各作品に動きが出て、大きなアクセントになっている。動くものがあることで、作品が生き生きしてくるという観点から改めて見てほしい」と話す。
 樽前山が1874年に噴火した際、札幌から噴火を記録するために苫小牧を訪れた開拓使の船越長善が描いた「胆振国勇払群樽前岳噴火之図」(北海道大学付属図書館北方資料室蔵)も特別出品されている。市美術博物館には写本があるが、ここに収録されていない部分の図を展示。噴火に驚く人々の様子と共に描かれ「絵画としても非常にクオリティーが高い」と福田学芸員。原本は前期のみの展示となる。
 樽前山にはかつて「ヌフイノボリ」「パリルシペ」など「燃える」「蒸気」を意味するアイヌ語の名称があったことや、江戸時代の画家、谷文晁らによるドームができる前のまるで富士山のように堂々とした樽前山の姿が描かれたパネルも展示している。噴火の様子などを写した明治・大正時代の絵はがき、関連品13点も楽しめる。
 観覧は開催中の企画展「門脇松次郎と苫小牧のスポーツ」(一般300円、高・大学生200円、中学生以下無料)のチケットで見られる。
http://www.tomamin.co.jp/20161145124

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鶴保氏の発言 沖縄相の資質問われる

2016-11-30 | ウチナー・沖縄
北海道新聞11/29 08:50
 沖縄県の米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事で反対派を「土人」となじった機動隊員の発言について、鶴保庸介沖縄北方担当相が国会で「差別とは断定できない」と答弁した。
 人権や沖縄の歴史に無理解な問題発言であるのは言うまでもないが、鶴保氏はその後も撤回する考えはないと明言した。
 さらに見過ごせないのは、政府が鶴保氏の発言の訂正や謝罪は不要とする答弁書を閣議決定したことだ。沖縄担当閣僚としての資質ばかりか、安倍政権の沖縄に対する姿勢そのものが問われている。
 土人は「未開・非文明」などの意味を含む。金田勝年法相は差別用語だと国会で認めている。
 この言葉が米軍基地の現場で公権力を行使する側から反対派に発せられたことは、沖縄の人たちに基地問題の背後にある構造的差別の歴史を想起させたに違いない。
 鶴保氏がそれを分かっていれば「差別と断定できない」とは言えまい。そもそも、内閣に沖縄振興担当の閣僚がいるのも米軍の占領統治などの歴史と密接に関わる。
 北海道で土人という言葉から連想するのは、1997年に廃止された北海道旧土人保護法だろう。
 アイヌ民族を「旧土人」と呼ぶ法律の名称自体が差別の象徴と批判された。北方担当相でもある鶴保氏が当然知っていなければならない経緯だと指摘しておきたい。
 鶴保氏はほかにも沖縄の神経を逆なでする言動が目に余る。
 「沖縄振興策と基地問題は確実にリンクしている」と振興予算が基地負担の見返りであるかのように言い、普天間飛行場の辺野古移設を巡る政府と県の訴訟を「早く片付けてほしい」と述べた。
 それでも鶴保氏をおとがめなしとする安倍政権の姿勢は、沖縄を見下すように民意を無視して辺野古移設を進める手法と通底する。
 鶴保氏は「政治とカネ」でも問題を指摘されている。
 自身の資金管理団体が開いた政治資金パーティーの券が他人名義や法令の上限を超える金額で購入された可能性があるなど、不適切な処理が計300万円あったとして全額返金した。
 安倍内閣では山本有二農水相の「強行採決」発言や、萩生田光一官房副長官が野党の国会対応を「田舎のプロレス」とやゆした発言もあり、撤回に追い込まれた。
 政権のおごりと緩みとしか言いようのない事態が続く。国会は会期延長の方向が固まった。野党は追及の手を緩めてはならない。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0094444.html

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