連休、気持ちがいい晴れがつづき、気持ちよかったです。どこにいっても混んでいたかな。
さて、イタリア在住の作家、佐藤まどかさんが、新刊をだされました。
フルーティストをめざす、少年の話です。イタリア在住の日本人という設定。
著者がまさにそうですよね。イタリアに住みながら、児童文学を書かれて活躍されています。
主人公の少年ユージは母といっしょにいった無料コンサートで、国立音楽院の生徒のフルートの澄んだ音に魅せられて、自分も志したいと思います。
そこから少年のフルートとの格闘が始まりました。
自分の才能があるのか、経済的余裕がないのにいいのか、アジア人という差別、いろんなものとたたかいながらも、フルートの腕をみがいていきます。
どこか、文学の創作とも似ていると思いました。才能があるのか、これが限界か、書いているための膨大な時間、ほかのことについやしたほうがいいのではないか、だれでも一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。何度もいやになりながらも、自分のフルートを嫌いになれないユージに共感して応援してくなります。ユージは限界を感じたり、めげたりしながらも、いろんな人に励まされて、やり続けて、そして・・・・・・。
行間からフルートの澄んだ音が聞こえてくるような気がしました。
いろいろすてきな場面があるのですが、わたしが好きなのは、後半バッハの解釈で悩む場面の
昼と夜のあいだ、音と無音のあいだ、行と行のあいだ、大人と子どものあいだ・・・・・・。そんな「あいだ」が好きだ。どっちでもないし、どっちでもある「非絶対的」なもの。
なんて、こんなところです。わたしも「あいだ」が好きだなって思います。白、黒、はっきりってにがてなんですよね。
そこがよわさかとも感じて悩むこともありますが。
とにかくフルートの演奏を聴きたくなる作品です。
ネットでみたら、作者、佐藤まどかさんのトークとプロの奏者のフルートの演奏のイベントがあるような。
わたしも行ってみようかなと思いました。