事業部でごいっしょに高田由紀子さんが新刊をだされました。
この春から発売開始をしたポプラキミノベルという新しい文庫のシリーズ。
タイトルは、『オン・ステージ①あいつはナイショの幽霊部員』とながめ。
主人公の妄想少女 舞城ひかり が ある台本を手にしたところから、幽霊にとりつかれてしまい、ぜんぜん 興味がなかった演劇部に入部。そこで演劇のおもしろさに目覚めていく、とまあ、ストーリーはそんな感じなのですが、演劇部員のひとくせある部員たちが、魅力的。おもしろく、元気になれる物語。
あとがきによると、高田由紀子さんが、高校時代、演劇部だったことがあったとか。そのせいか、エチュードなど、演劇の知識もちりばめられています。そのときの気持ちがベースなのでしょう。
これはポプラキミノベルの一冊なのですが、この新文庫シリーズ、ポプラ社はかなり力をいれている様子。
だって、5月だけでも、7冊だしているんだもの。読者から見れば好きなものを選べて楽しいですが、作家からみれば競争はげしいですよね。今までだって、ツバサ、ミライ、青い鳥と文庫戦争は始まっていて、それに新レーベルも次々参入してきています。
つまり、文庫はかなり売れると思われている分野だってことのよう。本屋さんの売り場でも面積がどんどん広くなっていっています。
高田由紀子さんは、『スイマー』などを書かれて、児童文学では人気もあり、かつ、推薦図書にも選ばれる実力派。その方が、今度は文庫でどんな活躍をしてくれるのか、これから楽しみです。
この『オン・ステージ』のストーリーの中、黒歴史という言葉がでてきます。
わたしの数ある黒歴史のひとつ・・・でしょうか、ポプラ社で文庫を書いたことがあるんですよ。もう、20年くらい前に。榎本司郎さんという名物編集者さんといっしょに。古い建物だった四谷の交差点近くのポプラ社にも伺いました。
その頃は、まだ、ワープロで書いていたような記憶があります。ちがったかな。しかし、この文庫は三巻で打ち切りに・・・。
こんな風に、みんな黒歴史ってあると思うんですよね。でも、そこからどこに向かっていくか、きっと、それが大事!!
この『オン・ステージ』も、そんなことが書いてあって、笑いながらも、うんうんとうなずいて、なにかをやってみようという気持ちになれる物語です。