濱野京子さんが新刊をだされました。
今回は高校の文芸部を舞台にした、恋愛をからめての作品で、シタマチ、谷根千のあたりが舞台として出てきて、もくじに地図ものっています。
文芸部で合評の場面とかでてくるのですが、主人公は創作をしません。居心地のいい部活でしたが、下級生に「どうして書かないの?」といわれ、書かない自分について考えます。才能とか創作に向ける熱量とか。
こういうところ、わたし自身も創作をしているわけだから、わかる、わかるって読みました。
一度でも書いたことがある人、合評をしたことがある人、共感すると思います。
高校生くらいなら、だれしも才能があるか、ないか、考えることがあると思います。スポーツでも音楽でもアートでも。
そんな心理を巧みに書いてありますが、けっして、断定はしません。
そして、書けないことにコンプレックスをもっていた主人公ですが、あることをきっかけに吹っ切れていくのですが・・・・・・。
と内容を書くと部活ものと思われそうですが、恋愛も大きくからんでいます。あくまでさらっとですが、主人公の背中をおしてくれます。
こういう恋愛の描き方、いいなっと思いました。
「自分の書いた文章を、だれよりも読んでほしい」こういう信頼関係、いいですよね。うらやましい。
ま、わたしは夫には書いた文は読んでほしくないけれど。そこだけはわたしだけの領域なので、入ってきてほしくないって感じかな。まあ、高校生じゃないから、そう思うわけですが、さめていますね。
才能ってなんだろうって思ったことがある人、読んでみてください。