濱野京子さんが新刊をだされました。
東日本大震災で被害がでたリアス式海岸の海と緑の町が舞台。
小六の真莉愛がこの町に引っ越してきたところから物語が始まります。虎舞や仙台の七夕、東北の町がどれもよく取材されてその場の空気感までていねいに描かれています
小さいとき一時、やさしく声をかけてくれたまさきくん。そのまさきくんのことを考えたいと動き出すことで、真莉愛はしだいにこの土地になじんでいき……。
最後のおばあちゃんのひと言がとてもいいですね。
こうの史代さんの表紙の絵が力強くて、すてきです。あと、最初のプロローグみたいなページの絵が好きです。こうの史代さんと濱野京子さんって、相性がいいのでしょうね。文章と絵がひびきあっているような気がしています。
まさきくん、覚えていてもらってよかったなーとしみじみと思いました。読み終わって、わたしも亡くなった友だちのことなど思いだしました。震災でなくなった友だちはいないのですが、この年ですからそれなりに、お別れは経験しています。
静かな物語なのですが、ひたひたと胸にせまってきます。
さて、濱野京子さんは、年末にもう一冊、新刊をだされました。でも、それは年内に読み切れないので来年にもちこしです。