赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『大林くんへの手紙』せいのあつこ・著

2017-04-01 08:00:00 | その他
今朝、朝食の時、娘に、「東京タワーが、老朽化して、取り壊されるんだって」「遺伝子操作で青い桜ができたんだって」といわれ、へえ、そうなんだ。東京タワー、行っておかなきゃっと自然にうなずいてしまいました。みなさん、おわかりですね。そう、今日はエイプリルフール。ウソぴょん!ってことでした。(^^;) 

さて、会報部のせいのあつこさんが新刊をだされました。おめでとうございます。


実にせいのあつこさんらしい、誠実な作品だと思いました。
学校にこなくなった、大林くん。手紙を書くことになってしまいましたが、どんな手紙をかけばいいんだろう。

学校にあわすこと、先生にあわすことに慣れた文香は、迷います。これが正解だよってだれかにいってもらうのはとっても楽。でも、自分の心にウソをつかない、気持ちのよい答えを自分で見つけ出すのは、なかなか大変です。みんなはどうやって、選んでいるんだろう。言葉も、いるもの、いらないものも。文香の等身大の言葉が、丁寧につづらえています。

この純粋で誠実な主人公の姿は、いい作品を書こうといつも模索している作者、せいのさんの姿と重なります。
表紙の青空がきれいです。読み終わったら、読者もこんな青空が見えたような気持ちになるでしょう。

また、大林くんの学校に来ない理由もわたしは気に入りました。ここには書きませんが、イジメにあったんじゃなかったことがよかったな。イジメは深刻な社会問題ですが、物語に悪者をつくりたいために、イジメっ子を出すのは、安易です。だから、かえってこの作品の大林くんの理由が、新鮮で「そっか」って思えました。

せいのさん、書き出してから長い方ではないのですが、どんどん延びていっています。やはり、吸収力が大きいですよね。わたしも話してると、吸い取られるような気になります(笑)きっとこの作品でも、注目されるでしょう。
今、自分をせばめないようにと、新しいスタイルにも挑戦してるとか。
これから、そんな作品を書いてくれるか、どこまで大きくなるのか、とても楽しみです。

さて、このまえ、クレヨンハウスに行ったら、佐藤さとるさんの追悼コーナーがありました。

この頃、本屋さんが少なくなっていて、こういうコーナーをつくってくださるところも減ってきています。
児童書店、貴重ですよね。追悼コーナー、見たい方、ぜひ、クレヨンハウスへ。

クレヨンハウスでは、岡田淳さん、こそあとの森・完結記念もやっていました。これはまた、後日・・・・・・