火星への道

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ホンにあなたは屁のような・・・

2013-09-23 01:14:41 | MSL

9月19日のWhat'sNewによりますとCuriosityの測定の結果、火星大気中にメタンがほとんど存在しないことが分かったとのことです。

測定期間は、2012年10月から今年の6月の間で6回測定を実施しました。
測定には、SAMのTLS(the Tunable Laser Spectrometer)を使用しました。
TLSの検出限界から計算すると火星大気中のメタンは、1.3ppb以下であるとのことです。
これは、従来予測されていた濃度の6分の1です。
*ppbとはPart per billionということで、1ppbは10億分の1ということになります。
ただし、Curiosity搭載のTLSで測定できない低濃度でも、メタンが1年間で10t-20t火星大気中に放出されている可能性は、残っているとのことです。
この量は、地球の大気中に放出されるメタン量の5,000万分の1の量であるとのことです。

発表は、the Thursday edition of Science Expressに「Low Upper Limit to Methane Abundance on Mars」という題名で行われました。
発表したのは、the MSL Science Teamのメンバーで、このレポートの lead authorは、Christopher R. Websterさんです。
発表の概略は、以下の通りです。
1.メタンは、TLSで測定されなかった。TLSの検出限界から計算するとメタンが存在するとしても1.3ppb以下である。分析結果に間違いは無い。
2.メタンは、大気中に放出されていれば、数百年間残るはずである。
3.従って、生物学的、地質学的または隕石由来によりメタンが大気中に放出されるとしても多い量ではない。
4.局所的に45ppbものメタンが検出されたという以前の発表は、何らかの間違いである。
5.ただし、メタンが検出されなくても、メタン菌以外の微生物の存在を否定するものではない。 

かなり残念な発表ですが、全くメタン菌の存在が否定されたわけでもなさそうです。
なぜなら、もしかしたら10t-20tのメタンが存在する可能性が残っているわけです。
メタンの大気中への放出については、当ブログでも2009年1月17日の ハワイのケック天文台活躍で触れています。
9月20日のナショナルジオグラフィック ニュース 2009年に火星大気中のメタン量を報告した Michael Mummaさん(Goddard Space Flight Center)の見解が紹介されています。
それによりますと、 Mummaさんは、今でも自説を確信しているとして、以下のように発言しています。
「実際には、私たちの研究成果と一致している。噴出は散発的な傾向があり、メタンは大気中ですぐに消滅すると報告していた。幸いにも、メタン検出用の計測器はいまも稼働中だ。今後の継続的なモニタリングを楽しみにしている」とのことです。
Mummaさんの記事は、2009年1月20日のAstroArtsにも「火星は生きている、大量のメタンを検出」と紹介されています。
http://www.astroarts.co.jp/news/2009/01/20martian_methane/index-j.shtml

Curiosityの科学チームは、更に感度を上げて1ppb未満までの測定を試みるようです。
結局、現時点では、メタンがあるのかないのか分からないということになりますが、メタン菌が沢山いる状況ではないようです。
今後の情報を待ちましょう。


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