「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

功を奏した「遊び心」

2021年07月07日 | オーディオ談義

つい先日のブログに投稿した「オーディオの決め手はスピードにあり!?」だが、その内容については記憶に新しい通り、小型の「GT管」の持つハイスピード感に魅了されたというお話だった。



ちなみに、ここでいう「スピード感」とは、音声信号に対する反応の速さのことで端的に言えば「音の立ちあがり・立ちさがり」のことである。

ときおり見かける「ボワ~ン」といった反応の鈍い音は問題外で、メーカー名はこれ以上敵を増やしたくないのであえて伏せておきます(笑)。

まあ、そういうわけで調子に乗ってこのところ二階の寝室の片隅で「お蔵入り」していたアンプを降ろしてきた。これもまた出力管が「GT管」である。



比較的珍しいツクリのアンプである。

出自となると知人に「チャンデバ」として作っていただいたものを、たまたまオークションでトランスの名門「TRIAD」(アメリカ:トライアッド)の小振りの出力トランス(プッシュプル用)を手に入れたので大分市のアンプビルダー「K」さんに頼んで
パワーアンプに改造してもらったもの。

入力段が「6SL7」(RCA)、出力段が「6SN7」(シルヴァニア:クロームトップ)、整流管は「GZ32」(英国ムラード)、出力トランスは繰り返すようだが「TRIAD」。

こうやって改めて眺めてみると「整流管」だけがやたらに立派に見えますなあ(笑)。

とてもシンプルンなツクリだし響きも素直だったが、GT管特有の「素っ気なさ」を感じてお蔵入りしていたものだが、この度の「ハイスピード感」に注目して再登板となったもの。

「なかなかいいじゃない、能率の高いスピーカーには十分使えそう」が第一印象だったが、しばらく聴いているうちにふと「遊び心」が芽生えた。

出力管「6SN7」の代わりに「変換アダプター」を使って「E80CC」(独:ヴァルボ)を挿してみたらどういう音が出るんだろう?

肝心の「μ(ミュー)=増幅率」は「6SN7=20」で「E80CC=27」と後者がやや高い。

思い立ったが吉日で即実行あるのみだ。



それが何とまあ、エーッと驚くほど「いい音」が出たんですよねえ(笑)。

6SN7よりも音の抜けがいいし、倍音成分がことのほか豊かである。まさか「E80CC」が出力管に使えるなんて・・・。

もしかして「AXIOM80」もいけるんじゃないかと、鳴らしてみたところ、これまたさしたる不満なし。

双方とも信条は「ハイスピード」にあるので悪かろうはずがない。

さっそく「北国の真空管博士」にご注進。

すると「プッシュプル接続なのでパワーはおそらく1ワットくらいでしょう。あの71Aが0.8ワットなので十分鳴らせるはずですよ。なお、6SN7についてはロシアの軍事用の球でいいものがあります。
手に入ったら試聴用に送りましょう」

「ハイ、よろしくお願いします」

というわけで、このアンプは我が家のほとんどのスピーカーに使えることが分かった。スピード感と切れ味に冴えていて実に頼もしい。

「GT管」談義から発展して思わぬ拾い物をした感じで、いやあ、ありがたい、ありがたい。

つくづくオークションに出さなくて良かった(笑)。


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