デジタル機器の栄枯盛衰を見るのはつらい。
いくら「至上の名器」と謳われたものでも日進月歩の技術の進展によってあれよあれよという間に色褪せていくのだから。
修繕に出していた「旧石器時代の遺物」ともいえるCDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(英国:dCS)が1年8か月ぶりに戻ってきた。
ご覧の通り頑丈なトランク風のケースがものものしい(笑)。
それにしても、待たされた「1年8か月」の何と長かったこと!
修理先によると部品交換のために根気よく「代替機器」を漁ってくれたそうだが完全なものはついに見つからずとうとう中途半端な修理に終わってしまった。
ただし、よほど気の毒に思われたのだろうか、修繕代と送料がタダだったことにささやかな「良心」を感じた(笑)。
これでようやく「dCS」の純正組み合わせのそろい踏み。
上段左がDAコンバーターの「エルガー プラス」、右側がCDトランスポートの「ヴェルディ・・」。
両者ともおよそ20年くらい前の製品になるのだろうか。当時の定価は両方合わせて「500万円」ほどで、もちろんビンボー人には簡単に手が出る代物ではないので当初から諦めムードだった。
ところが、後年になって懇意にしている東京のオーディオ・ショップからたまたま借り受けて試聴したところ「抜群!」だったしお値段もどうやら手が届く範囲になったので運よく購入できた。
「レコードはもう要らない!」という当時の思いがいまだに偲ばれる。
さあ、修理が巧くいったかどうかさっそくの確認である。
おっと、肝心の修理内容についての説明を忘れていた。
それは、CDトレイにCDを入れても小窓に「NO DISK」の表示、つまり「ディスクを読み込んでくれない」にあったのだが、今回は、CDを放り込むと「READ OUT」の表示が出たのでまずはひと安心。
さっそく、このところゾッコンの「マーラーの第4番」を試聴した。
日頃はリモコン一つで自由自在に聴けるので「ブルーレイ」に取り込んだ曲目を聴くことが多いのだが、改めて音質の違いに驚いた。
何しろ「プレゼンス感」というのか、音の「生々しさ」と「粒立ち」がまるっきり違う。
やはり「腐っても鯛」とはこのことかな(笑)。
その日は盛大な満足感のもとで、CDトラポに予熱を持たせるために「スタンバイ」スイッチを入れて就寝についた。
そして、翌朝ルンルン気分でCDトレイを開けてCDを放り込んだところ無情にも「NO DISK」の表示が・・。
エ~ッと天を仰いで思わず嘆息した。
この絶望感を言葉で表現するのはとても難しい(笑)。
それにしても、昨日はうまくいったのに翌日になると駄目になるのはいったいどうして?
以下、続く。
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