「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ミニチュア管の魅力

2021年07月19日 | オーディオ談義

長い梅雨がようやく終わったというのに、17日(土)から18日にかけてかなり激しい雨が降り続いた。

図書館などに出かける気もしないので久しぶりに保管している真空管の整理に取り掛かった。

出力管については全体的に大ぶりだし、交換する妙味も味わえるので室内の身近なところにおいているが、可哀そうなのは電圧増幅管の「ミニチュア管」で、倉庫に仕舞い込んだままでなかなか陽の目を見ることがない。

まあ、お値段が安いので代替品はいくらでもあるし、使い道はプリアンプであったり、パワーアンプの引き立て役だったりで、いわば日陰の存在ですかね(笑)。

10年以上使っていないものが多いのでそろそろ不要な球をオークションに出そうかなと改めてペア探し~。

ガラス管の印刷が消えていることが多いので、プレートの大きさやピンの色などが選別の目安となる。



すると出るわ出るわで大忙し。こういうケース(箱)がもう一つあるのだからいい加減にしてくれ~(笑)。

「12AU7」が一番多くて、その次が「12AX7」「12AT7」「E80CC」と続くが、いろんなメーカーがひしめき合っている。

そして肝心なのが、これらの真空管がはたしてノイズなしに音が出てくれるかどうかだ。

こういうときのテストにはこのアンプが最適。



入力段の真空管は「6SL7GT」で出力段の真空管は「6SN7GT」。

この「6SN7GT」というのはミニチュア管の「12AU7」とほぼ同等規格で「μ(ミュー:増幅率」もそれぞれ20と17と似通っており代替可能である。

そこでソケットの「変換アダプター」を使って12AU7を挿し込んで次々に「出音テスト」をした。

スピーカーは「AXIOM80」だが十分駆動可能だから頼もしい。

これもプッシュプル用の小型出力トランス(アメリカ「TRIAD」)に合わせてプッシュプル接続にしているのでパワーが増大したおかげだろう。

ただし、やっぱり低音域が若干淋しいので補完してやる必要があるが、それを補って余りあるほど中高音域にかけてはスピードが速く瑞々しい音に恵まれて申し分ない。

そして、すべての真空管がノイズもなくOKだったのでこれで晴れてオークションに出品できそうだと、ホッとしたのも束の間で最後に「6072」という真空管が3本出てきた。

「6072っていったい何?」

こういう球を購入した覚えがまったくないんだけどなあ・・。

ネットでググってみると「12AY7と同等管」ということが分かった。

「12AY7」はこれまで使ったことがないが、おそらく「12AU7」あたりと同族なのだろうとおよそ察しがつく。

肝心の「μ」は44とあって比較的高く、もしかしてギター用アンプの球かもしれない。

たぶん差し換え可能だろうと思い切って挿してみたところ、これが何とまあ「AXIOM80」から想像もできないような美音が出てきたんですよねえ!

こんなに「いい球」をオークションに出すなんて滅相もないと手元に置いておくことにした!(笑)

今回は、普段から大仰な出力管ばかりにスポットライトが当たっているけれども、使い方次第で実力を発揮する「ミニチュア管」の魅力に括目するいい機会になりましたよ。



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