つい先日搭載した「ミニチュア管の魅力」で取り上げた「6072」(12AY7の高信頼管)について、「北国の真空管博士」からご連絡があった。
「6072は私も好きな球です。隠れた名管だと思いますが、あくまでも微小信号を増幅するための電圧増幅管です。
出力管として使用すると故障する恐れがありますよ。おそらく独特の歪みが出ているはずです。その歪みが三極管のせいでいい方向に作用して魅力的な響きになっているのでしょうが・・」
「あっ、そうですか。そう言われてみると確かにちょっと歪みっぽい音がしてますね。この歪みが独特の響きに変化しているようです、まさに紙一重ですね。
壊れると元も子もないのでお客さんが見えたときくらいに聴かせてあげることにしましょう。貴重なアドバイスありがとうございます」
さらに問答が続く。
「実は仲間から中国製のDAコンバーター(以下「G」)を借り受けているのですが、これを利用してパソコン経由のネットラジオで「モーツァルト専門チャンネルを聴きたいのですが、どうしたらいいんでしょう」
すると博士から、
「ああ、それならロシアのAIMPというプレイヤーがあって、素晴らしいモ-ツァルトの専門チャンネルがありますよ。まず、AIMPをインストールしてください。話はそれからです。完了したらまた連絡してください。」
無事完了したので報告。
すると博士から「とりあえず、これからその専門チャンネルのアドレスをあなた宛てメールしますので、私の言うとおりにパソコンを操作してください」
「ハイ、分かりました」
博士から届いたアドレスを一字一句間違えないようにメモしてから「どうぞ続きをお願いします」
「ハイ、それでは私が言うとおりに画面の操作をしてください。まず始めに、・・・・」
いくつもの項目をクリックするなど、とても素人では絶対に考え付かないような複雑な操作だった。
そして肝心のDAコンバーターを認知する読み込みの方もAIMPではいくつも選択できるようになっていて、「トッピング」などと並んで「G」の選択肢があったのでclickしてから最後に「適用」、次に「OK」をクリックしてお終い。
そして、見事にスピーカーからモーツァルトの音楽が流れてきたのには感激した。
中国製「G」の優秀な機能と相俟って、音質も素晴らしい。
モーツァルトの音楽の特徴だがストーリー性が無いので一つの断片だけ切り取っても音楽の美しさに十分堪えうるし、たちどころにモーツァルトの世界に入り込めるところがいい。
この専門チャンネルでは選曲もよくて妙なるメロディが次から次に湧き出てくる。皆等しく名曲ばかりでまったく尽きることがない。そしてうれしいことに宣伝がいっさい入らない。
これからはこのチャンネルで「モーツァルト三昧」になるが、豊かな音楽ライフとはきっとこういうことを指すに違いない。
とはいえ、自他ともに認める「モーツァルト狂」にとって夢のような時代が到来していたのに気付かなかった己のうかつさを大いに恥じなければいけない(笑)。
最後に冒頭の真空管の話だが、博士のアドバイスどおり「6072」を温存し、それに代えて「12BH7」(東芝)という球があったので代わりに挿してみた。
通常のミニチュア管よりもちょっと大きめなので、低音域には強そうな感じ。
一時プリアンプ用として使ったことがあるが、ぼんやりとして実に冴えない音で長らくお蔵入りだった球である。
肝心の「μ(ミュー)=増幅率」も「16.5」と6SN7の「20」と似たようなものなので十分代用が利きそうだ。
あまり期待せずに挿し込んでみると見違えるように溌溂した音を出してきたのには驚いた。
「6SN7」よりもずっといい!
出力管として使ったときの「ミニチュア管」はまるっきり変身しますな。
真空管の奥の深さを痛感!
このところ「音楽&オーディオ」に限っては次から次にいいことが起こっているが「好事魔多し」ということもあるので、むしろ怖いくらい(笑)。
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