オーディオ愛好家と一口にいっても、低音域を大事にする「低音派」、以下「中音派」、「高音派」、そして「全体派」など様々だが、大別するとすれば「低音域にこだわる」タイプと「高音域にこだわる」タイプに分けられそうに思う・・。
で、自分の場合はまず高音域が気になるタイプで、澄み切った青空のように抜けきった透明感がないとまず音楽を聴く気になれない。
おそらく1万ヘルツ以上は聴こえないはずだけど、すごく気になります(笑)。
ただし、この透明感を出すのは出来のいい「ツィーター」と良質の「真空管アンプ」があれば可能で、比較的容易に達成できる・・、と思っている。
で、問題は低音域である。
およそ30ヘルツあたりの低音域を屈託なく出すとなると、システムも大掛かりにならざるを得ない。
限られた部屋のスペースの中で、箱、ユニット、アンプなどそれなりに準備しなければならず、満足できる低音域の確保となると「一筋縄ではいかない」と常々思っている。
「低音域」にこだわらなければ随分と身軽になれるんだけどなあと、思うこと再々だが「フル編成のオーケストラ」のファンダメンタルな弦のユニゾンがそれらしく聴けないとなると、それはもうオーディオではないように思う。
で、読者で横浜在住の「K」さんから、ちょくちょくメールをいただくが、どうやら「低音重視派」の方のようで、つい最近次のようなメールのやり取りをしたので、記録に留めておくことにした。
「音楽は低音の上に構築されてる」と考えてます。そう低音が大切 (大好き)、なんといってもBASSです。
讃美歌を例にとればBASSの旋律が基底にあり、ソプラノ アルト テナーを支えてる。ビートルズもベースラインがきれいな曲が多いのですが、これはポールマッカートニーがベーシストだったからかな?
BASSは「切れのよい低音、ふわっと響く低音、陰で支える低音」と種類が多く、そのためSPの得手不得手が現れてしまい、一本(一組?)で全てを満足は…無理かな。
箱の大きさはとても大事と思ってますが、響きがあいまいになる可能性もあると感じます。クラッシックならオートグラフのようなバックロードを利かせたSPは合うけどその他のジャンルには???(でも一度は置いてみたい、絶対に無理ですが)
やはり箱は部屋の次に影響すると思ってます。「箱一つの私」が言うのは僭越かな・・。」
そこで、次のように返信した。
「たしかに低音の鳴らし方にオーディオの難しさがすべて反映されているように思います。となると、やはり「箱」ですか・・。
大きな箱を作って、音楽ソース次第で内部の寸法を短縮出来たり、伸ばしたり~。理想ですね!」
すると、すぐに返信があった。
「貴兄の「箱のサイズを自由に動かす」すごいアイディアです。(Kさんは設計士・・)以前設計の時に検討したことですが、学校は授業の内容で学生の数が変わるので、部屋の大きさを簡単にしかも美しく変えられることはできないか検討したことがあります。
私の経験でも授業の多い日は良いサイズの教室から埋まります。【特に偉い教授に選択権があります】
非常勤の授業は ”10人なのに「大教室」”、これとてもやりにくい(話す側からですが多分学生も)よってサイズ変更が我々のテーマになったのですが・・、加えて教室の天井高さも変えられないか!
通常教室は3mですがこれを変更したい。例えば音大では(高校も同じでしょうけど)ピアノ練習室の天井は低くても良いが、アンサンブルは4m欲しい、けど練習なので講堂は使えない・・。
箱でのチャレンジ、期待します。」
という「やりとり」でした。
スピーカーボックスの内部(縦、横、奥行き)の空間を音楽ソースに応じて外側から自由自在に調整できる・・、
たとえば、オーケストラの時は「バックロードホーン」へ、そして小編成やボーカルの時などはもっと内部空間を縮小する・・、そういうボックスが出来ないものか。
どこか器用な大工さんはいないかなあ(笑)。
クリックをお願いします →