「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

制御不能のスピーカー

2023年09月14日 | オーディオ談義

「ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲群は正座して聴かなければいけない」という言い伝えがある。

なぜなら・・、

その後の作曲家たちが手も足も出ないと嘆いたほどの完成度の高さを誇り、そしてリスナーにとっても「ハイ、まことにごもっともです!」と、ひたすら頭を垂れて拝聴するような曲風だから~。

(とりわけ6楽章の構成をまとった「14番 作品131」は晩年になってようやく巨匠が到達したいかなる形式にも縛られない自由闊達な境地が伺える。)

で、どうやら我が家のスピーカーにも似たようなの
があるようでして・・(笑)。



これらの中で右端にあるスピーカー・・。

他のスピーカーは持ち主の思うがままに「制御」している(と思っている)のだが、この「AXIOM80」ばかりはどうもそういう気にならない。

「お前は俺を上手く鳴らす能力があるのか・・」と、いつも問い掛けられているような気がして「ある種の畏怖感」を覚えさせられてしまう。

言い換えると、制御不能のスピーカー

したがって、(このブログで)めったに登場させることがないのは、きっと読者もお気付きのことだろう。

まあ、1セットくらいはこういう「恐れおののく」スピーカーがあってもいいでしょうよ、「頂門の一針」という意味で・・(笑)。

で、このスピーカーと付き合ってもう20年以上になるがもう何度「血(お金)と汗(手間)と涙(後悔)」を流したことか・・、せめて「出てくる音」がその量に比例してくれるといいのだが、けっしてそうとは限らないのがうらめしい。

市販の箱ではどうしても上手く鳴ってくれないので、とうとう板厚「1.5cm」の箱を自作したし、底板には「20cm×20cm」の穴をあけて独自の工夫した「ARU」を付けているし、(箱の)軽量というハンディを克服するために大量の鉄筋を箱の寸法に合わせて切断し四方に敷き詰めている。

で、昨日は珍しく久しぶりに聴く気になった・・。いったい、どういう風の吹き回し?

実は定期的に行っている「血糖値の検査」結果がとても良かった・・、合併症予防のための目標数値を珍しく下回っていて、日頃から心臓血管に不安を覚える人間にとってはまことにうれしい限り。

いわば「生活態度がこのペースでいいんだ」という安心感は何ものにも代えがたい。

長生きするのは「はた迷惑」だろうが、もっと「音楽&オーディオ」を楽しみたいのでね(笑)。

というわけで、よっしゃ~、オーディオもドンと行こうや・・。

ま、要するに単純な人間なんですね(笑)。



さあ、こうやって思い切って据え付けた以上は最高の音質で聴きたいものだ・・。

メチャ感度のいいスピーカーであり、駆動するアンプ次第でころっと態度が豹変するのでなかなか慎重な選択が求められる。

で、我が家で「AXIOM80」を鳴らす資格のあるアンプといえば、どうなんだろう・・、定評もお値段もあまり当てにならない気がするけどな~(笑)。



で、今回はめったに出番がない「PP5/400シングルアンプ」を登場させてみよっか~。

この出力管は「お盆」と「正月」用として日頃は神棚に飾っているのだが、寿命との相談もあってぼちぼち出番があってもいいだろう(笑)。

前段管は「GSXー112」(トリタン・フィラメント)、出力管は前述どおり「PP5/400」(初期版:英国エジソン・マツダ)、整流管は「WE422A」(1957年製)となかなか凝った構成。いずれも簡単には手が入らない代物ですぞ!

実は、ここに至るまでに紆余曲折があって、たとえば前段管は「3A/109B」に、出力管は「PX25」(ナス管)に、整流管は「378」(ムラード)にしたりと「ひと騒ぎ」だったが、ようやくこのスタイルで落ち着いた。

で、肝心の音質は・・。

なかなかのもので、おそらく「WE300Bシングル」「6AR6シングル」より上を行くんじゃないかなあ~。



こればかりは脳に「希望的な色彩を帯びたフィルター」がかかっているので、オーディオ仲間の冷静な判断を待った方が良さそうだ。

それに「AXIOM80」がそんなに簡単に屈するとは思えないしね~。

で、あえて言わせてもらうと「AXIOM80」を鳴らすのに、三極管の双璧ともいえる「PP5/400」と「WE300B」、そして「6AR6」(三極管接続だとPX4と同等)で試せる強運の持ち主って、世の中にはたしてどのくらい居らっしゃるんだろう~。

おっと・・、最後になってとうとういつもの「地」(自画自賛)が出てしまった(笑)。



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