タイトルについて一言・・。
明日からもう10月というのに一向に涼しくならないので、まだ体感的には「晩夏」といってもいいだろう。
「対決」という言葉は穏やかではないが、オーディオ愛好家同士の「聴き比べ」というものは、「さあ、どうだ・・、すっかり手の内を見せたんだから率直な感想を聞かせてくれ!」と、まあ心理的に「対決」に近いものがありますな(笑)。
その「対決」に至る経緯を振り返ってみよう。
「別府に行く用事が出来ましたので、よろしかったら聴かせてください」と、県央(別府からクルマで1時間ほど)にお住いの「YA」さんからご連絡があったのは28日(木)の午前中のことだった。
たしか3か月ぶりくらいかな。
「ハイ、いいですよ・・、具体的に何時ごろになりそうですか?」
「午後1時前にはお伺いしたいと思います」
「わかりました。よろしかったら、以前聴かせてもらった245シングルアンプを再び持ってきてもらえませんか? とてもいい音だった記憶がありますからね」
咄嗟にこういう言葉が出たのだから、よほど強く印象に残っていたのだろう。
忘れっぽくて、衰えていくばかりの脳だが、「いい音」の記憶だけはなかなか消えないものとみえる(笑)。
「ハイ、わかりました。持っていきます」とご快諾。
よし、我が家のアンプとの一騎打ちだ・・。
YAさんはおよそ30年にわたる真空管アンプビルダーさんで、出てくる音の評判がいいので完成するたびにまるで羽根が生えたようにもらわれていく。
我が家でも真空管式「プリアンプ」をこの3月に作ってもらったが、いまだにエースとして活躍中で、とかく目移りしがちな自分には極めて珍しい事象。
真空管は「E80CC×2本」(タングスラム)、整流管は「EZー81」(英国:エジソン・マツダ)で、3か月前にカップリング・コンデンサーを「マイカ・コンデンンサー」に代えたところさらに特上のサウンドが出現。
な~に、自分で勝手にそう思うだけだが・・(笑)。
12時40分とやや早めにお見えになったYAさんに初めに聴いていただいたスピーカーはグッドマンの「TRIAXIOM」(口径30cm:同軸3ウェイ)だった。
ちなみに、本日のシステムの前段は「DPーUB9000」(ブルーレイ) → (SAECのRCAデジタルコード) → DAC「エルガー プラス」(英国:dCS) → 「プリアンプ」・・という構成。
これで、「You Tube」と「CD」を聴くというもので、我が家ではベストの組み合わせといっていい。
で、この「TRIAXIOM」をぜひ「245シングルアンプ」で聴いてみたかった・・。
というのも同じグッドマンの「AXIOM80」が試作されている中、テスト用のアンプとして使われていたのが「245シングル」と聞いたことがあり、あの瀬川冬樹さんも「245」を使われていたそうだ・・、さらに古来から有名どころの真空管アンプビルダーさんたちによると、数ある古典管の中で一番音がいいのは「245」だそう・・。
で、真打の「245」は「後のお楽しみ」ということで、ず手始めのアンプは「PX25シングル」(出力管はドーム型)。
スピーカーの出自に合わせて、英国製の「出力管」ということで聴いていただいた。
「聴きやすい音ですね・・」ということで、可もなし不可もなしという感じ~。
とはいえ、はじめから「気に入らない音です」と「反旗を翻す」お客さんは居ないだろうが・・(笑)。
次にアンプを代えてみた。
「71Aシングルアンプ」・・。
使っている真空管に工夫をこらしていて、前段管が「AC/HL」(初期版:エジソンマツダ)、出力管は「71A」(レイセオン:赤ラベル付き)、整流管は「OKーX213」(メッシュ・プレート)。
「透明感といい、高音域の伸び具合といいこちらのアンプの方が好きです。」と、YAさん。
「なるほど・・、次はいよいよご持参された245シングルと行きましょうかね」
木工技術の方もハイレベルで理想的な木製のケースに黒色塗装をされている。
さあ、「245」と「71A」の一騎打ちだ・・!
以下、続く。
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