「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

新図書館の建設

2024年01月25日 | 独り言

もう10年以上も昔のことだが「地域の文化レベルと図書館の充実度」というタイトルで、次のようなブログを投稿していたのをご記憶だろうか。

好きな作家の一人「吉村 昭」さんの随筆に「地域の文化レベルは図書館の充実度に如実に反映する」といった趣旨のことが書かれてあった。

吉村さんの幾多の優れた歴史小説の拠ってきたるものは極めて綿密な取材旅行にあったが、その際まず第一歩を記したのが彼(か)の地の図書館だったというから吉村さんならではの実体験に裏打ちされた説得力のある言葉である。

さて、そこで自分が住んでいる別府市とその図書館について取り上げてみよう。

”活字中毒” を自認しているといっても、それほど学究肌でもなし、ミステリーなどの娯楽本や肩の凝らない雑学の本が大半だが、狭い我が家にこれ以上本を積んでおくスペースもないし、経費の節約ということもあって読んでいる本はほとんどが図書館から借りてきた本ばかり。

現在、近隣の3つの図書館を利用しているが最も当てにしているのが県立図書館。地元の別府市の図書館については、専用駐車場も無く、借り物の古ぼけたビルの2階のフロワーに少しばかりの蔵書が並べられている程度なので、今のところ「新刊」だけがお目当てになっている。まるで風前の灯(ともしび)みたいな有り様。

ところが、肝心の関係者にまったく危機感がない!


これまで配付される「市報」をいつも隅から隅までどんなに目を皿のようにして見ても図書館の充実整備の話が市議会の討論などで一度も出てきたことがないのがいかにも別府らしいところ。

旅館やホテルなどのサービス産業が多いせいか(従事者が)本を読む暇が無いらしい(笑)。

しかも、利害が錯綜しているせいか業界のまとまりの悪いこと甚だしい。

「魅力ある観光地づくり」を果たしたお隣の湯布院なんかは、ちゃんとしたリーダーがいて個別の旅館やホテルの名前よりも「湯布院という地域イメージ」による団結のもとに成功を納めたが、その点別府は「百鬼夜行」の伏魔殿みたいなところで、「別府」という地名は抜きにしてホテルなどの個々の固有名詞を優先することが多い。

たとえば別府の端っこの山の上にある「杉の井ホテル」なんか最たるものだろう。ここでお客を囲い込んでしまうと、海岸沿いにある夜の歓楽街に繰り出すことがないので別府の発展にはあまり貢献できていない。

「なぜこういう唯我独尊の体質に?」というわけだが、どうやら昔からの伝統みたいなものらしい(笑)。

そもそも別府は、山あり、海あり、高原あり、温泉ありの観光都市。毎年1,000万人を越える観光客を受け入れようと、温泉から吹き出る湯けむりのもと、ホテル、旅館、民宿、湯治場といったサービス業が乱立している。

「別府の湯けむり」 (2012.3.30.14:30 撮影 天候:薄曇)



(自宅から歩いて1分ほどの)「別府湯けむり展望台」から撮影した遠景。ちなみに「21世紀に残したい日本の風景百選」の第2位で、第1位は富士山。)

したがって、経営者を含めてこういったサービス産業に従事する人たちの市人口に占める割合も半端ではないが、こういう職業は総じて毎日の顧客の獲得やサービスに精一杯で目先の利害に右往左往するのが良きにつけ悪しきにつけ習い性みたいなもの。

とても、ゆったり腰かけて読書に耽るイメージは想像しにくく、図書館へのニーズもそれに比例する。


市議会議員などの地方選挙にしても、業界の利益をどれだけ代弁できるかがポイントになっているようで、全体的に民度がイマイチなのは争えない。

別府に移り住んでもう30年以上になるが、都会の喧騒から離れて静かだし、空気はうまいし、景色はいいし、温泉はあるしで自分にとってこれ以上住みやすいところはないと大満足だが、図書館だけは期待外れである。

しかし、よく考えてみると「民度がイマイチ」と大きな口を叩くわりに自分が借りるのは、いつもミステリーを中心とした娯楽本が大半で肝心の中身には乏しい。

「地域の文化レベルと図書館の充実度」なんて偉そうに言う資格はあまり無さそうで、所詮は ”お湯ボケ” の別府の人間の ”戯言”(たわごと) かと ”いと恥ずかし”!(笑)

とまあ、以上のような内容だったが、どうやらようやく「汚名挽回」のチャンスが巡ってきたらしい。

2日前のネットの記事にこうあった。


「大分県別府市で建設費42億円を超える新しい図書館の建築工事が始まり、現地で22日起工式が行われました。

別府市の新図書館は42億6600万円あまりをかけて、別府市役所の西側にある松林に建設されます。建設予定地で22日起工式が行われ、長野市長らが玉串を奉納して工事中の安全を祈願しました。

新図書館は3階建てでおよそ5000平方メートルの広さがあります。最大収容冊数は32万冊で利用者が手に取れる本の数も現在の図書館の2倍に増えます。

(長野市長)「新図書館に行けば色々な問題や課題の解決ができるというようなみなさん方の心のよりどころになるような交流の場にもしていきたい」

別府市の新図書館は来年9月に完成する予定で、2026年3月からの利用開始を目指します。」

そうこなくっちゃあ・・(笑)。



建設場所は「別府公園」と道路を隔てて隣になるので「ウォーキング」の帰りにでもちょいと立ち寄ることができる。

しかし、あと2年待ちとは・・、ちょっと遅すぎるんだよなあ(笑)。

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