大晦日(2023)のことだった。
この1年間の「お礼」と「来年も引き続き・・」ということで、オーディオ仲間のNさん(大分市)にご連絡。
型通りの挨拶が済んでから「何か変わったことはありませんか?」
「これまで使っていたプリアンプを全面的に見直したよ・・」
えっと、思わず生唾をごくりと飲み込んで「それで、音の方はいかがですか?」「これまでで最高の出来だと思うよ!」「それはぜひ聴かせてもらいたいですね、今日の午後はいかがですか」「ああ、いいですよ」「ついでにYさんも誘ってみます」
で、予想通りYさんは一つ返事だったので、話がバタバタとまとまった(笑)。
昼食時に「おい今日の午後からNさん宅へ行ってくるからな」「まあ、大晦日にですか・・、奥様から嫌がられますよ」と眉を顰(ひそ)めながら舌鋒鋭く家人が宣うた。
「大丈夫だろう・・、典型的な夫唱婦随のご一家だからな」「・・」。
すんでのところで「我が家と違ってな・・」という言葉を飲み込んだ(笑)。
というわけで、途中でYさんを拾いクルマで40分ほど走らせたが、さすがに大晦日とあって普段より混んでいたが溢れる熱意でかきわけて進んだ。
ここをどうしてこうして・・という技術的な話はYさんとNさんの間で大いに弾んでいたが、こちらはまったく蚊帳の外でサウンドに耳を傾けるだけ。
たしかに、これまで聴かせていただいた音とは一皮剥けた感じで、鮮度といい、勢いといいGOODの一言だった。
とはいえ・・、いかにアルテックといえども「口径38cm」のユニットにはどうしても拒否反応が起きてしまう・・、そしてクロスオーヴァーも500ヘルツだから、そもそも我が家のスタイルとはまるっきり違う。
おそらく大多数の方々は「とてもいい音だ」と拍手喝采だろうが・・。
しかし、いい耳の保養をさせてもらった。そのうち、このプリアンプを我が家に持ち込んで「AXIOM80」を聴かせてもらいたいなあ。
ただし、欲しくなるとヤバイしねえ・、やっぱり「聴かぬが花」かな~(笑)。
というわけで、一年の締めくくりは他家のサウンドの試聴だった。
そして我が家では元旦明けの2日からじっくり聴いているのが「TRIAXIOM」(グッドマン)である。
板厚「1.2cm」の箱の補強が済んでからというもの、その様変わりしたサウンドにはぞっこんである。
同じグッドマンの「AXIOM80」が「神経質な秀才」だとすると「人格円満な優等生」という感じで、妙な気を使わなくていいので長く付き合いたくなる・・。
で、改めて手持ちの9台のアンプの中でどれがいちばんマッチングがいいのか、正月早々からテストしてみた。
トップバッターは「PX25シングル」である。
当初は前段管に「LS7」(英国GEC)を使っていたのだが、相性がイマイチの感じがして「3A/109B」(英国STC)に変更した。
画像の下段、一番左が「LS7」でその右側が「3A/109B」である。μ(ミュー=増幅率)に応じてアンプに切り替えスイッチが付いているので便利~。
すると、あまりの変わり様に驚いた。
プリアンプの改造や箱の補強などのオーディオ環境の変化が功を奏したのだろうか、名管とされる「3A/109B」の面目躍如で何ら過不足のないサウンドに心の底から痺れあがった。
いわば「人格円満な優等生」に「リーダー的な資質」が加わった感じかな~(笑)。
「これで決まり~、他のアンプのテストは必要なし」と高らかに宣言!
で、不要となった「LS7」だがオークションにでも出そうかな、希少なナス管なのでいい値段がするかもねえ・・と、捕らぬ狸の皮算用~。
これまでの恩義を忘れて・・、いささかドライで冷たいかもね~、ただし人間には優しいんだけどね(笑)。
で、ミューはどのくらいかなとネットで調べていたら、この「LS7」を出力管として使っているアンプを発見。
ほう、出力管として使う手があったか・・、そこで我が家で応用できそうなアンプといえばこれかな。名門「TRIAD」の出力トランス(プッシュプル用)が使ってあるのがミソ。
さっそく大晦日に訪問したNさんに連絡した。
「電圧増幅管のLS7ですが、出力管として使いたいので6SN7の代用として使えませんかね?もちろんソケットの交換が必要ですが・・」、「ああ調べてみよう」
もしうまくいけば、2024年の「大当たり」になりそうな予感がする。
元旦早々の「2024オーディオ展望」ではこの件には全く触れなかったので、まったく移り気そのものだが、我が家では万事がこういう調子。
これを「刹那(せつな)主義」というのだろうか(笑)。
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