「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

それはもう犯罪行為ですね!

2024年01月31日 | オーディオ談義

真空管を愛すればこその心理だろうが、ときどき真空管と人間の生涯を重ねたくなることがある。両者とも「寿命」という共通の運命に支配されているのでそう無理筋でもないと思うがどうなんだろう。

まず人間の生涯を大まかに分けると「幼年期~壮年期~老年期」に分けられるが、寿命を80年としてその内訳を順に「15年~40年~25年」としよう。

もちろん肉体的にというわけだがこれを真空管に当てはめてみると、
球の種類もいろいろあるし、ブランドによっても違うので諸説あろうが、十把一からげに大まかに時間単位でいくと寿命を6000時間として幼年期が100時間、壮年期が4000時間、老年期が2000時間といったところかな~。

人間に比べると幼年期がとても短いのが特徴で人間の幼児教育にはとても手間と時間がかかるのがわかる(笑)。


さらに人間の場合、己がどの年期に属するのか把握するのは簡単そのものだが、真空管ともなるとはたしてどの時期に相当しているかこれを見分けるのが実に難しい。

なにしろ、寿命不明のまま人の手を転々とするのが常道なので見分けがつかない。

壮年期に当たるのならもちろんいいが、もし老年期に入ったとすると、能力が落ちてきて冴えない音になるので、どのくらいで「姥捨て山」に行かせるか、その時期を常に意識せざるを得ないのが課題だ。

ということで本題に移ろう。

このほど、我が家のサウンドに「革命」をもたらしたこのアンプ。



「革命」なんて大袈裟だと思われるかもしれないが、使用者にとってはこれまでのオーディオ人生の中で指折りといっても差し支えないほどの衝撃を受けているんだから~、いやホントだってば・・(笑)。

それを裏付ける意味でも、ここはぜひ仲間に一肌脱いでもらわねば・・。

昨日(30日)のこと、平日で仕事に忙殺されているはずの「Y」さんに猫なで声で「新しいアンプが出来上がったのでちょっと聴いてもらえませんか」と、お願いしたところ「ハイ、1時間ぐらいならいいですよ」のご返事をいただいた。

さあ、「(Yさんが)驚愕される様子を早く見たいなあ・・」と、血沸き肉躍る感じ、実はこういうことは過去に何度もあったが大概は「ハズレ」だったんだけどね~(笑)、しかし今回ばかりは・・、と秘かに「捲土重来」(けんどじゅうらい)を期するものがあった。

スピーカーはYさんが大好きな「AXIOM80」(オリジナル版)を準備してじっくりと罠に落ちるのを待ち構えた(笑)。

きっかり1時半にお見えになったYさんに、まずは「You Tube」のエレキ・ギターを聴いていただいたところ、予想通りの大好評。

「音にメリハリがあってとても素敵な音です・・、パワーはこれで十分でしょう。これまで聴かせていただいたAXIOM80のなかでは最高の音です。高音域がまるで加速度がついたようにシュッと伸びていますよ。WE300Bアンプよりも ”しっくり” きますね」

「AXIOM80じゃないと絶対に出せない音がありますからね、そういう意味ではこのアンプとの組み合わせがあらゆるオーディオサウンドの中で最高峰に位置するのではないでしょうか」と、珍しく豪語させていただいた・・、調子に乗ったらあかんけどね~(笑)。

そのうち・・、「あれっ、整流管がST管ですね。なぜナス管にしないんですか・・」と、目敏く気付かれた。

「それがですねえ・・、実は当初付けていたナス管がどうもヘタってきているようで、少し元気のない音になるもんですからSTCの80Aに交換したんですけど、実際に確認してみますか」と、順に挿し代えていった。



左が最初に付けていた「80A」(英国STC)、中央がややヘタレ気味の「480」(米国SPARTON)、そして右が真打の「OK-X 213」(メッシュプレート)

「エ~ッ、整流管でこんなに音が変わるんですか!」

抜群だったのは「OKーX・・」で、「これで聴くとほかはちょっと落ちますね・・」とYさん。

整流管というのは周知のとおり「交流を直流に代える」役目を担っているが、どれだけ澄んだ状態で多くの電流を供給できるか、いわば真空管アンプの大元の存在になるわけだが、所詮は消耗品なので常に劣化状況に配慮する必要がある。

「普段はほかの整流管を使うことにします。OKーXはYさんがお見えになったときだけ使いましょうね・・」と、申し上げておいた(笑)。

1時間の中でいろんな曲目を聴いたが「スパニッシュ・ハーレム」の「マラカス」の響きが極めて印象に残ったご様子で、「右側のスピーカーの外側にスッキリと浮いた状態で見事に定位してますね。」

最後に「結局、今回の改造でかかった費用といえば、ほんの少しの部品代の〇円と雀の涙ほどの手間賃の〇円でしたよ」

「それはもう犯罪行為ですね・・」という「捨て台詞」を残して、Yさんは帰途につかれた。

「捨て台詞」(広辞苑)

1 俳優が脚本には書いてないが、その場の雰囲気を生かすため、とっさに言う短い台詞

2 立ち去るときに言い放って相手の返事などを求めない言葉。すてことば。特に相手を脅したり軽蔑したりするときに放つ。

もちろん、前者の意味だが「費用 対 効果」からいくと「ぼったくりの常習犯」といわれても仕方がないかもねえ・・、アハハ(笑)。



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