映画「汚れた心」を見てきました。
汚れた心 http://www.kegaretakokoro.com/pc/ Coraçoes Sujos
監督 ヴィセンテ・アモリン
人は戦争で狂わされるのか、それとも狂うから戦争になるのか、
そんなことを考えました。
舞台はブラジルの日系人社会。第二次世界大戦で日本が負けたと
信じたくない人たち、勝ったと信じている日本人の集団が、「国賊」を
征伐するという名のもとに次々と同邦を殺していきます。
それにしても、いくら情報がなかったとはいえ、日本が負けたことに
うすうす気がついていたのではないでしょうか。
信じたくないからあえて目をつぶって真実を見ないようにした、
のだと思います。
見たくない真実は、それまでの自分の価値観、存在価値を全部
ひっくり返してしまうからです。
「知らなかった」から、「そう信じていた」から、で済むのでしょうか。
「騙されていた」で済むのでしょうか。
この前新聞に伊丹万作さんの書いた文について、記事が載って
いました。騙されるのも罪である、というようなことだったと思います。
ぜひ伊丹万作さんの本を読んでみるつもりです。
「汚れた心」に出てくる俳優さんたちの演技が秀逸でした。
主人公演じる伊原剛志をはじめ、妻役の常盤貴子、大日本帝国
陸軍大佐のワタナベ役の奥田瑛二は怪演でした。
保安官役のエドゥアルド・モスコヴィスは、ブラジルの大スター
らしく、めちゃかっこいいです。
それから実は映画音楽がすばらしかったです。