今日、小学校の理科の時間に紫陽花の話になりました。様々な話がありましたが、ちょうど支援級の子の付き添いで参加していた私に担任の先生がいきなり
「先生(私)、何か紫陽花で面白いお話ありませんか?」
と無茶ブリしてきました。
一瞬躊躇しましたが、
「ちょっと驚く話と、ちょっと夢の無い話がありますけど、どちらがいいですか?」
と若干軽はずみに答えたところ、思った以上に教室内がザワついてしまいました(汗)。
「じゃあ、両方お願いします!」
という担任の先生のリクエストにお答えして、先ずはちょっと驚く話から。
私「紫陽花は、実は日本が原産の花です。」
子「ええ〜っ?!」
そう、現在見られる紫陽花の殆どは日本の在来種を基に品種改良されたものです。前にも書きましたが、紫陽花が世界に知られるきっかけとなったひとつは幕末に日本を訪れていたドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)が、プラントハンターとして紫陽花をヨーロッパに持ち帰ったことがあります。
続いて、ちょっと夢の無い話を。
私「よく紫陽花の葉の上にカタツムリがいるイメージがありますが、紫陽花には毒があるので実際には紫陽花の葉の上には殆どカタツムリはいません。」
子「ええええ〜っ?!」
そう、実は紫陽花には『青酸配糖体』という名の有毒成分が含まれているので、実際に紫陽花の葉の上にカタツムリがいることはほぼありません。昔、和食料理店で紫陽花の葉に料理を盛り付けて提供したところ客がその葉を食べてしまい、嘔吐や目眩、呼吸障害等の症状を引き起こして大騒ぎになったこともあるのです…。
よくこの時期になると
こんな感じのイラストが出回ることがありますが、どうやらこれは梅雨の時期を象徴する紫陽花とカタツムリとを誰かがイラスト上で合成してしまったもののようです。ただ、その見た目があまりにもドハマりしてしまったために、いつの間にかこの図がイメージとして定着してしまったようです。
担任の先生から聞かれて答えたものの、結果的に思った以上に教室内をザワつかせてしまいました。ヘタに出しゃばってしまうと、やはりあまりいいことはありません(汗)。
それでも、どうにかこうにか授業を終えて帰路につくと、駅に向かう道すがらで先程理科の時間にいた子どもたちの何人かが声をかけてきました。そして、
「あっちにキレイな紫陽花が咲いてるよ!」
と教えてくれたので行ってみると
紫色が何とも美しい紫陽花が咲いていました。
私が子どもの頃、紫陽花といえば青かピンクかだったような気がします。それからン十年の時を経て、今ではこうした紫色やらショッキングピンクやら緑色やら、様々な色やかたちの紫陽花を見かけることも珍しくなくなってきていることに気づかされます。
キレイな紫陽花の花を教えてくれたことの御礼を子どもたちに言って駅に向かって歩き出すと、後ろから
「アジサイ先生、サヨーナラー!」
と言われてズッコケてしまいました(汗)。
今までも私は子どもたちから何だかいろいろな名前で呼ばれているのですが、どうやらまた一つ『称号』が増えてしまったようです…。