今日は晴れたもののそれほど暑くもならず、過ごしやすい陽気となりました。いっそこのまま秋らしい天候が続けばいいのですが、新たな台風16号が週末に関東地方に接近する予報が出されているので、油断はできません。
さて今日9月27日は、20世紀を代表するヴァイオリニストの一人ジャック・ティボー(1880〜1953)の誕生日です。
フランコ=ベルギー派の代表格として知られるフランスのヴァイオリニストであるジャック・ティボーは、5歳年上のオーストリアの名ヴァイオリニストであるフリッツ・クライスラー(1875〜1962)と並び称されるほどの名声を得ていました。
ボルドーの音楽教師の息子として生まれたティボーは、早くからヴァイオリンの才能を示しました。何と8歳でリサイタルを開き、13歳からは早くもパリ音楽院で学んだといいます。
ボルドーの音楽教師の息子として生まれたティボーは、早くからヴァイオリンの才能を示しました。何と8歳でリサイタルを開き、13歳からは早くもパリ音楽院で学んだといいます。
1896年にパリ音楽院を首席で卒業したティボーは、生活費のためにパリのカフェでヴァイオリンを弾いていたところをヴァイオリニストで指揮者のエドゥアール・コロンヌ(1838〜1910)の目に留まり、コロンヌ管弦楽団に招かれました。1905年にはピアニストのアルフレッド・コルトー(1877〜1962)、チェリストのパブロ・カザルス(1876〜1973)とカザルス三重奏団を結成し、1906年12月28日には最初の公開演奏会が行われました。
1923年には初来日し、1936年に2度目の来日を果たします。この時には日本ビクターで録音を行ったほか、JOAK放送局からラジオ放送での演奏も行いました。
また、1943年には20世紀前半のフランスを代表する女流ピアニストでピアノ教育者でもあったマルグリット・ロン(1874〜1966)と共同で音楽コンクールを立ち上げました。これは『ロン=ティボー国際コンクール』として、現在でも若手音楽家の登竜門となっています。
しかし1953年、3度目の来日途中に乗っていたエールフランスのロッキード機がニースへのファイナルアプローチの最中にアルプス山脈に衝突してしまい。残念ながら41名の乗員乗客全員と共に死去してしまいました。この事故の時、ティボーが愛用していた1720年製のストラディヴァリウスも残念ながら一緒に失われてしまいました。
数あるティボーの録音の中で、個人的に好きなのが1926年にコルトーとレコーディングしたセザール・フランク(1822〜1890)作曲の《ヴァイオリンソナタ イ長調》です。
名コンビとして知られているティボー=コルトーの録音の中でもこのフランクは特に名盤として名高く、今でもCD化されて多くの人に親しまれています。
名コンビとして知られているティボー=コルトーの録音の中でもこのフランクは特に名盤として名高く、今でもCD化されて多くの人に親しまれています。
そんなわけで、今日はその名盤のフランクの動画を転載してみました。惜しくもティボーと友に航空機事故で失われてしまったストラディヴァリウスの甘美な音色と、寄り添うように張り合うように絡み合うコルトーのピアノで、フランクの名曲をお楽しみください。