共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はエルガーの誕生日〜2014年プロムスでの圧巻の《威風堂々第1番》

2022年06月02日 16時25分50秒 | 音楽
今日も日中は暑くなりました。もう、これからは夏日が常習化すると思って過ごすようにしていないと、こちらの身がもたなくなりつつあります…。

ところで、今日6月2日はエルガーの誕生日です。



初代準男爵サー・エドワード・ウィリアム・エルガー(1857〜1934)はイギリスの作曲家・指揮者で、元は音楽教師でありヴァイオリニストでもあった人物です。

『ブラームスの第5番』とも呼ばれる交響曲第1番や、チェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、《愛の挨拶》、《エニグマ変奏曲》といった名曲で知られるエルガーですが、最も一般に広く知られているエルガー作品といえば1901年から1930年にかけて作曲された5曲の行進曲《威風堂々》、中でも第1番でしょう。毎年全世界に向けて放映されて数えきれない視聴者が目にする音楽祭『プロムス』の最終夜では、伝統的にこの曲が演奏されています。

第1番の中間部分の主題をひらめいた時、エルガーは友人のドーラ・ペニーに

「聴いた皆を打つ、打ちのめす旋律を思いついたんだ。」

と述べたといいます。そして、1901年にロンドンのプロムナード・コンサートにおいて第1番の行進曲が初演された際のことを、指揮を行ったヘンリー・ウッドは後に

「聴衆は立ち上がり叫び声をあげた。プロムナード・コンサートの歴史において管弦楽曲が2度のアンコールという栄誉を受けた、ただ1度の出来事である。」

と振り返っています。

またエルガーは、イギリス国王エドワード7世の戴冠式を飾るため、1901年6月にロイヤル・オペラ・ハウスで行われたガラ・コンサートへ向けて『戴冠式頌歌』への楽曲提供を委嘱されました。王の許可が確認されるとエルガーは楽曲に取り掛かり、『威風堂々第1番』のトリオにちょうど合わせた歌詞を付けられるという助言を得たエルガーは頌歌にその新しい声楽版を組み込んで、声楽作品『希望と栄光の国』として発表することにしました。

この曲に可能性を感じ取った楽譜出版社は、エルガーに対して独立した楽曲として出版するためにさらに改訂を加えるように依頼しました。この曲は発表されるや絶大な人気を獲得し、今やイギリスにおいては第2の国歌と称されるほどのものとなっています。

そんなわけで、エルガーの誕生日であり、エリザベス二世女王陛下の即位70周年のプラチナ・ジュビリーでもある今日は、彼の代表作《威風堂々》第1番の演奏動画を転載してみました。2014年にロイヤル・アルバート・ホールで開催されたプロムスでの、聴衆を巻き込んだ大盛りあがりの様子を御堪能ください。



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