台風15号は早々に温帯低気圧に変わりましたが、静岡県付近では土砂崩れや水害もあったようです。神奈川県ではそこまでの被害はなかったものの、曇り空かと思うと凄まじい雨が降ったりするのを繰り返す、何とも奇妙な空模様となりました。
私は昨日の頭痛が今日になっても治まらず、今日も自宅で大人しく過ごしていました。世間は三連休と浮かれているようですが、私はそんなものとは無縁な生活満喫中です…。
それでも、ただひたすらグダグダしているのもつまらないので、音楽を聴いて過ごすことにしました。何を聴こうかと思ったのですが、
なんだかんだバッハになりました。
いろんなバッハのCDやレコードを引っ張り出して聴いていましたが、その中でも今回は
チェンバロ協奏曲を中心に聴いていました。
上の写真は、私が小学6年生の時にお年玉で買ったカール・リヒターのレコードです。A面には名曲《チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052》が収録されているのですが、私が好きなのはB面に収録されている《2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060》です。
バッハのチェンバロ協奏曲は元々違う楽器のために書かれた曲をアレンジしたものが殆どですが、この《2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060》も元はオーボエとヴァイオリンのために書かれた協奏曲をアレンジしたものといわれています。ただ、残念ながらその原曲の方の楽譜は失われているので、それを実証することはできません。
子ども時代の私は、第1楽章の冒頭のメロディを聴いていっぺんにこの曲が好きになりました。エコーを伴う甘美な主題から始まって、2台のチェンバロがそれぞれに掛け合いをしながら進んでいく様は実に華やかです。
第2楽章はアダージョのシチリアーノで、弦楽オーケストラのピチカートにのって2台のチェンバロが優雅なメロディを紡いでいきます。オーボエとヴァイオリンでの2声部の原曲と違って、それぞれに左手がプラスされていることによって実質4声部になった独奏部が織りなす綾は、原曲とは違った美しさです。
第3楽章は下降音型が印象的なメロディから始まって、バッハらしいポリフォニーが展開されていく見事なフィナーレです。オーボエとヴァイオリンの原曲と比べると、2台のチェンバロでの演奏はより優雅で落ち着きが感じられます。
今日はその《2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060》をお聴きいただきたいと思いますが、折角ですから、この曲から再現された《オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060a》との聴き比べをしていただこうと思います。
先ずは2台のチェンバロのための協奏曲から。
そして、上のチェンバロ協奏曲から再現されたオーボエとヴァイオリンのための協奏曲がこちらです。
それぞれにそれぞれの良さがあると思います。皆さんはどちらがお好きでしょうか。