何だか昨日より荒れた天気です。夕方からますます荒れてくるのだとか…。でも、教室がお休みの私は家でノホホンとオペラ鑑賞しております。昨日《セビリャの理髪師》を観たので、その勢いで今日はモーツァルトの名作《フィガロの結婚》を選びました。
《フィガロの結婚》は、昨日鑑賞した《セビリャの理髪師》の後日談です。《セビリャ…》はアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの恋路がメインですが、《フィガロ…》は、彼等の恋のキューピッド役だったフィガロ自身が結婚式を挙げるまでのドタバタ劇を描いたものです。
これはそれこそ山のようにDVDが出ていますが、私の手元にあるのは、ある意味王道中の王道と言えるようなものです。1980年9月30日、ウィーン国立歌劇場の東京文化会館での公演をNHKが収録した映像をDVD化したものです。まあ、とにかく面子がとんでもないラインナップです。
(NHKエンタープライズ NSDSー9492)
アルマヴィーヴァ伯爵…ベルント・ヴァイクル
伯爵夫人ロジーナ…グンドゥラ・ヤノヴィッツ
フィガロ…ヘルマン・プライ
スザンナ…ルチア・ポップ
ケルビーノ…アグネス・バルツァ
バルトロ…クルト・リドル
マルチェリーナ…マルガリータ・リロヴァ
ドン・バジリオ…ハインツ・ツェドニク
ドン・クルツィオ…クルト・エクヴィルツ
アントニオ…ワルター・フィンク
バルバリーナ…マリア・ヴェヌーティ
ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮…カール・ベーム
演出…ヘルゲ・トーマ
装置…パンテリス・デシラス
衣装…ジャン・ピエール・ポネル
このラインナップを見ただけで頭が痛くなってきます。よくもまあこれだけ錚々たるメンバーが来たな…と思うような面々です。さしずめメッシやC.ロナウドやルーニーやカカやシャビやドログバやイニエスタやトーレスがいるチームを、ファーガソンやモウリーニョが監督として率いて来るようなモン…と言ったら分かって頂けるでしょうか(なんじゃそりゃあ~!w(゜O゜)w!)。この公演の翌年にはベームが他界してしまいましたから、この公演を生で観られた人達は本当に羨ましいです。
我々の世代で、フィガロといえばヘルマン・プライでした。かっこよくて声も素敵で芸達者で…もう、これ以上どうしろっていうの?と言いたくなってしまう存在だったのです。プライのフィガロの画像で一番有名なのは1975年、ベームの指揮、ミレッラ・フレーニのスザンナ、ディートリヒ・フィッシャー=ディスカウのアルマヴィーヴァ伯爵、キリ・テ・カナワの伯爵夫人、日本公演で衣装を担当したポネル演出のオペラ映画ですが、ここではライヴなので、終幕に向けてどんどんノッてくるプライの姿を見ることができます。第1幕の名アリア《もう飛ぶまいぞ、この蝶々》は勿論、特に第4幕のアリア《さあ目を開けろ》からのポップ・スザンナとの丁々発止は、プライ・フィガロの面目躍如です。
スザンナ役のルチア・ポップは、恐らくこの役柄をやらせたら断トツでしょう。おきゃん(今時あまり使わない言葉じゃないか?)で、ちょっとフィガロの上をいくスザンナを好演しています。第2幕、クローゼットに隠れたケルビーノと入れ代わって、伯爵に呼ばれてシレッと出てくるところは最高です。また第4幕のアリア《恋人よ、早くここへ》では、物陰にいるフィガロを焦らすように振る舞いながら、音域の広い難しいアリアを安定した歌唱で聴かせてくれます。
アルマヴィーヴァ伯爵役のベルント・ヴァイクルはオペラ歌手界屈指の演技派として名を馳せていますが、この公演でもある意味やりたい放題(笑)、とにかく観客を飽きさせません。勿論、ただ面白い人というだけでなく、第3幕の大アリア《わしが溜め息をついている間に》の朗々たる歌唱姿は圧巻です。しかしその後、フィガロにまつわる衝撃の事実が判明した後のハラホロヒレハレ振りは抱腹絶倒です。
伯爵夫人ロジーナ役のグンドゥラ・ヤノヴィッツは、ただ立っているだけで気品が漂ってくる稀有なソプラノ歌手です。第2幕の幕切れのアリア《愛の神よ、照覧あれ》や第3幕の大アリア《楽しい思い出はどこへ》での切々とした歌唱は言うまでもないのですが、何とも楽しいのが第2幕での伯爵とのやり取りです。ケルビーノをクローゼットに隠していることをごまかしながら伯爵と一旦部屋を出て行き、その後クローゼットからケルビーノと入れ代わったスザンナが出てきて、夫婦揃ってキョトン…としている様子は「案外ヤノヴィッツもこういうの好きなんじゃん」と、思わず笑ってしまいます。
はあ…主要4役に関してだけでも、こんなに長くなってしまいました。とにかく中身も出演者も濃い~ので、とてもじゃありませんが書ききれません。はっきり言って¥9、400と価格も高いですが、それに見合うだけの内容です。演出もオーソドックスで見やすいので、《フィガロの結婚》というオペラを初めて観てみようという方にはオススメしたいDVDです。
《フィガロの結婚》は、昨日鑑賞した《セビリャの理髪師》の後日談です。《セビリャ…》はアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの恋路がメインですが、《フィガロ…》は、彼等の恋のキューピッド役だったフィガロ自身が結婚式を挙げるまでのドタバタ劇を描いたものです。
これはそれこそ山のようにDVDが出ていますが、私の手元にあるのは、ある意味王道中の王道と言えるようなものです。1980年9月30日、ウィーン国立歌劇場の東京文化会館での公演をNHKが収録した映像をDVD化したものです。まあ、とにかく面子がとんでもないラインナップです。
(NHKエンタープライズ NSDSー9492)
アルマヴィーヴァ伯爵…ベルント・ヴァイクル
伯爵夫人ロジーナ…グンドゥラ・ヤノヴィッツ
フィガロ…ヘルマン・プライ
スザンナ…ルチア・ポップ
ケルビーノ…アグネス・バルツァ
バルトロ…クルト・リドル
マルチェリーナ…マルガリータ・リロヴァ
ドン・バジリオ…ハインツ・ツェドニク
ドン・クルツィオ…クルト・エクヴィルツ
アントニオ…ワルター・フィンク
バルバリーナ…マリア・ヴェヌーティ
ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮…カール・ベーム
演出…ヘルゲ・トーマ
装置…パンテリス・デシラス
衣装…ジャン・ピエール・ポネル
このラインナップを見ただけで頭が痛くなってきます。よくもまあこれだけ錚々たるメンバーが来たな…と思うような面々です。さしずめメッシやC.ロナウドやルーニーやカカやシャビやドログバやイニエスタやトーレスがいるチームを、ファーガソンやモウリーニョが監督として率いて来るようなモン…と言ったら分かって頂けるでしょうか(なんじゃそりゃあ~!w(゜O゜)w!)。この公演の翌年にはベームが他界してしまいましたから、この公演を生で観られた人達は本当に羨ましいです。
我々の世代で、フィガロといえばヘルマン・プライでした。かっこよくて声も素敵で芸達者で…もう、これ以上どうしろっていうの?と言いたくなってしまう存在だったのです。プライのフィガロの画像で一番有名なのは1975年、ベームの指揮、ミレッラ・フレーニのスザンナ、ディートリヒ・フィッシャー=ディスカウのアルマヴィーヴァ伯爵、キリ・テ・カナワの伯爵夫人、日本公演で衣装を担当したポネル演出のオペラ映画ですが、ここではライヴなので、終幕に向けてどんどんノッてくるプライの姿を見ることができます。第1幕の名アリア《もう飛ぶまいぞ、この蝶々》は勿論、特に第4幕のアリア《さあ目を開けろ》からのポップ・スザンナとの丁々発止は、プライ・フィガロの面目躍如です。
スザンナ役のルチア・ポップは、恐らくこの役柄をやらせたら断トツでしょう。おきゃん(今時あまり使わない言葉じゃないか?)で、ちょっとフィガロの上をいくスザンナを好演しています。第2幕、クローゼットに隠れたケルビーノと入れ代わって、伯爵に呼ばれてシレッと出てくるところは最高です。また第4幕のアリア《恋人よ、早くここへ》では、物陰にいるフィガロを焦らすように振る舞いながら、音域の広い難しいアリアを安定した歌唱で聴かせてくれます。
アルマヴィーヴァ伯爵役のベルント・ヴァイクルはオペラ歌手界屈指の演技派として名を馳せていますが、この公演でもある意味やりたい放題(笑)、とにかく観客を飽きさせません。勿論、ただ面白い人というだけでなく、第3幕の大アリア《わしが溜め息をついている間に》の朗々たる歌唱姿は圧巻です。しかしその後、フィガロにまつわる衝撃の事実が判明した後のハラホロヒレハレ振りは抱腹絶倒です。
伯爵夫人ロジーナ役のグンドゥラ・ヤノヴィッツは、ただ立っているだけで気品が漂ってくる稀有なソプラノ歌手です。第2幕の幕切れのアリア《愛の神よ、照覧あれ》や第3幕の大アリア《楽しい思い出はどこへ》での切々とした歌唱は言うまでもないのですが、何とも楽しいのが第2幕での伯爵とのやり取りです。ケルビーノをクローゼットに隠していることをごまかしながら伯爵と一旦部屋を出て行き、その後クローゼットからケルビーノと入れ代わったスザンナが出てきて、夫婦揃ってキョトン…としている様子は「案外ヤノヴィッツもこういうの好きなんじゃん」と、思わず笑ってしまいます。
はあ…主要4役に関してだけでも、こんなに長くなってしまいました。とにかく中身も出演者も濃い~ので、とてもじゃありませんが書ききれません。はっきり言って¥9、400と価格も高いですが、それに見合うだけの内容です。演出もオーソドックスで見やすいので、《フィガロの結婚》というオペラを初めて観てみようという方にはオススメしたいDVDです。