共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

after17:00の贅沢『カフェ・アダージョ』

2020年01月15日 22時20分21秒 | カフェ
一昨日の月曜日が祝日だったこともあって今日が火曜日のような錯覚を起こしそうになったのですが、それでも

『今日は水曜日、今日は水曜日…』

と自分に強く言い聞かせながらあざみ野に出勤しました。そして《雫ノ下珈琲》に立ち寄りました。

今年に入っていくつか新商品が登場していますが、その中でも際立っているのが『カフェ・アダージョ』というコーヒーです。これは強力なスチームで短時間に一気に落とす『カフェ・エスプレッソ』の対極を行く、じっくりと時間をかけて淹れられた一杯です。

何しろカップのサイズはエスプレッソと同じくらいのコンパクトさでありながら、この一杯を淹れるために通常の2倍の量のコーヒー豆が使われています。その多めのコーヒー豆から時間をかけてペーパードリップし、ゆっくりとゆっくりと抽出して出来るので『アダージョ…ゆっくり(イタリア語の原義はくつろぐ)』という名前が付けられているのです。なので、お急ぎの方にはおすすめできません(笑)。

このコーヒーをマスターさんが淹れている時には、カウンター席に座っていても分かるくらいに香わしいコーヒーの香りが辺りに漂います。その香りが、これから味わうコーヒーの美味しさを予感させてくれます。

カップを手にして鼻の近くまで持っていくと、この上ないコーヒーの濃い香りに包まれます。さすがに倍量のコーヒー豆のエッセンスが凝縮しているだけあって、ほんの少し口に含んだだけでもかなりの満足感を堪能出来ます。

このカフェ・アダージョはこのままでも十分頂けるのですが、砂糖を少量加えると不思議と風味が和らいで優しい飲み口に変化します。更に添えられた生クリームを投入すると、円やかな風味とコクがプラスされて一段と大人な味わいに変化していくという、一杯で三度楽しめるコーヒーです。

素人考えですが、このコーヒーを落とした後にペーパーに残ったコーヒー豆を見ると、まだ抽出できるのでは?と思うような感じに見えます。しかし、実際にそこにお湯を落としてみて頂いたものを見ると味も香りも全くしません。つまり、それだけの量のコーヒーの全てのエッセンスを、時間をかけて確実に落とし切っているわけです。こうした現象が、このコーヒーを丁寧に抽出されるマスターさんの腕の確かさを如実に物語っています。

倍量の豆を使用しているだけあって、お値段も¥900と通常のコーヒーよりもお高めですが、それだけの価値のある珠玉の逸品です。

因みにタイトルの『アダージョ』は『ゆっくりと』という音楽の速度記号としても使われるので、



ソーサーにはト音記号があしらわれた可愛らしいスプーンが添えられています。こんな演出も楽しいところです。

このオリジナリティに満ちたコーヒーは、夕方17時以降からの限定販売です。この贅沢な一杯を堪能したい方は、是非東急田園都市線あざみ野駅徒歩5分のところにある《雫ノ下珈琲(なのかコーヒー)》までお運び頂き、くつろいだ時間と共にゆっくりと味わってみて下さい(木曜日定休)。

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