共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

初詣大作戦?!

2020年01月01日 18時28分13秒 | 神社仏閣
新年明けましておめでとうございます。旧年中は拙ブログを御覧頂きまして、誠に有り難うございました。今年も下らないことからどうでもいいことまであれこれと書き散らかしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、今年は知り合いの方と元日を満喫することにしておりました。券売機で一日使える小田急線の『江ノ島・鎌倉フリーパス』を購入し、午前2:30(!)に小田急江ノ島線湘南台駅で待ち合わせると、そのまま終点の片瀬江ノ島に向かいました。となれば目指すはこちら、そう、日本三大弁才天の一つである江島神社です。

島へ渡る長い橋を渡り、参道を進むと朱塗りの鳥居と竜宮城のような山門が見えてきます。そこから続く勾配のキツめの石段を上り、先ずは



一番手前に坐す邊津宮(へつみや)に参拝しました。そして人混みを掻き分けながら社務所に向かい、大麻と江島神社の御璽を頂きました。

そして、すぐ隣にある



八角円堂の弁天堂にも参拝しました。こちらには、白い玉の肌を露わに半伽に座し琵琶を構える弁才天と、インドのサラスヴァティの姿を色濃く留めた八臂の姿で頭上に人頭蛇身の宇賀神を戴いた弁財天の二柱の木像が安置されています。私は個人的に八臂弁財天を信奉しておりますので、特に念入りに御祈念して来ました。

そこから更に奥に進むと



2つ目の御社である鮮やかな朱塗りの中津宮(なかつみや)があります。そしてさらに奥に進むと



白木の奥津宮(おくつみや)に到着します。本当は隣にある『御岩屋道』を進むと、河竹黙阿弥の歌舞伎《弁天小僧女男白浪》浜松屋の場で弁天小僧菊之助が

『知らざぁ言って聞かせやしょう!濱の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねぇ七里ヶ浜、その白浪の夜働き、以前を言やぁ江ノ島で、年季勤めの稚児が淵…』

と啖呵を切る名台詞に登場する稚児が淵や、遠く富士山とつながっているという伝説のある御岩屋がある…のですが、何しろ夜夜中の真っ暗な中で汐に濡れた道を歩くのは危険!ということで、今回は引き返してきました。

それでも、江ノ島の半分くらいの階段をアップダウンしていたら、さすがにお腹が空いてきてしまったのです。しかし、江ノ島近辺で落ち着いて食事が出来そうな場所は見つかりませんでした。

そこでネット検索した結果、一度藤沢駅まで戻ってそこで腹拵えをしようということになりました。

元日ということもあってか、牛丼屋ですら閉店しているという不安要素満載の中歩いていると、一軒だけ煌々と電気の点いたデニーズが見えてきました。空腹と寒さの中で歩いていた我々は矢も盾もたまらず店に入ると




般若湯と共にしっかりと食事を済ませたのでした。

エネルギーチャージが完了したので藤沢駅に引き返すと、今度は江ノ電に乗って長谷駅を目指しました。目指すは、駅名にも所縁のある長谷寺です。

またもや割と急勾配の石段を上ると



観音堂に向かい、十一面観世音菩薩と御対面しました。それから一昨年初日の出を見た展望台へ向かうと、だいぶ日が高くなっているはずが水平線近くまで雲が厚く垂れ込めていて、



わずかに光の筋が見えていただけでした。早くからここで初日の出を待っていた人たちも、実質的には日の出を拝めていなかったようでした。

しかし、それからしばらく経つと突然辺りが明るくなり



太陽が顔を覗かせたのです。

居合わせた人たちは大慌てで写真を撮っていましたが、私は少し前からスマホを手にして展望台の隅でボケ〜…っとしていたので、かなり決定的瞬間を写すことが出来たのでした。

初日の出を写真に収めてから、観音堂の隣の厄除阿弥陀堂を始めとした諸堂を巡り、次に高徳院に向かうことにしました。長谷寺の山門を出てしばらく歩みを進めて振り返ると



破風屋根の黄金色の飾り金具が朝日に照らされてキラキラと光り輝いていました。

高徳院に到着して入場料を払うと



人影も疎らな大仏の前に進みました。朝早くということもあるのでしょうが、こんなに人の少ない鎌倉大仏は初めてです。

やがて、徐々に高さを増した太陽の光が大仏の御顔を照らし出すと



澄み切った青空の下、何とも神々しい光景が広がっていきました。東南アジア方面からと思しき外国人観光客は、この寒空の下わざわざ靴を脱いで大仏の前に正座し、一心に祈りを捧げていました。その様は何とも美しく、しばし見入ってしまいました。

さて、高徳院を辞した我々は一度長谷駅まで戻り、そこから住宅地の間を縫うようにして続く細道を進みました。その先にあるのは



御霊神社です。こちらの御祭神は歌舞伎十八番の一つ《暫》の主人公である鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)です。

この御社、御覧の通り鳥居の前を江ノ電の線路が横断しています。そして電車が御社の前に差しかかると



こんな光景が見られます。今日は元日ということで、よく見て頂くと江ノ電の方向指示器も『迎春号鎌倉行き』となっています。偶然とは言いながら、なかなか貴重な画を収めることが出来ました。

参拝を済ませて



長谷駅へ戻ってまた江ノ電に乗り、終点の鎌倉駅に向かいました。

駅を出て目抜き通りである小町通りを進むと



鶴岡八幡宮の大きな鳥居が目に飛び込んで来ます。お正月に来たのは、果たして何年…いや何十年ぶりだったか、といった感じで鳥居を潜りました。

しかし…ここからが大変だったのであります。

何しろ長谷を出てからここに到着した段階で9:30前後、午前の初詣のピークであろう時間を迎えていました。なので鳥居を潜った先から拝殿に到達するまで、



警察官による厳しい入場規制が布かれていたのです。

参道の上にはロープがに渡され、ある程度人が進むと警笛と共に渡されたロープが遮断機よろしく降ろされ、前の人波と分断されます。それが遅々として進まないような気がしてふと先を見ると



おびただしい数の人々がワッセワッセと急勾配の石段を上っている様を見て

『ハイ、スミマセンでした…。』

と自己を戒め、ひたすら自分たちが階段組に入れてもらえるのを待ちました。

ようやく石段のスタートラインに立って、急勾配の石段をヒイコラ言いながら上ると、大きな楼門の前に出ます。そこで来し方を振り返ってみたら



石段どころか、我々がスムーズに入ってきた鳥居の辺りにまで、ビッシリと人の波が続いていたでは、あ〜りませんか!さすがは名高き鎌倉の名社、相模國一之宮寒川神社にも引けを取らないくらいの参拝客数です。

何とか無事に参拝を終えて元いた鳥居まで戻ると既にランチタイムくらいに時間が進んでいて、一気に疲労が襲ってきました。それに、あれだけしっかり目の食事をしたにも関わらず、気づけばすっかり空腹になってしまっていたのです。

そこで、以前に横須賀・浄楽寺に運慶仏を拝観した後にお邪魔した若宮大路沿いのカフェ《久時(ひさき)》に向かいました。



ギリギリランチタイム前という微妙な時間だったせいか、店内は比較的空いていました。奥から出てみえた店主さんに年頭のご挨拶をしてからメニューを頂き、実際にはちょっと早目の時間だったのですが御厚意でランチを御用意頂きました。



手前は私がオーダーした野菜満載のカレーライス、奥側が知り合いの方のオーダーの焼きチーズハンバーグです。

私が頂いたカレーは、ライスの上に大ぶりな野菜がどっさりとのった、実に食べ応えのあるものでした。野菜が沢山ある分、カレールーには具がありませんが、始めに甘みが広がって後から辛さが追いかけてくるカレールーは、ガラムマサラの香りが効いた大人な味です。お店のオリジナルブレンドコーヒーと共に、美味しく頂戴しました。

今日は一気に五箇所での初詣リレーとなりました。本当はこの後厚木に帰ってから鎮守社である厚木神社に参拝して御璽を頂こう…と思っていたのですが、さすがにかなりの長距離を歩いて疲労困憊してしまったので、とりあえず鎮守社は明日に持ち越しました。明日の筋肉痛がコワいです…。

今年一年が皆様にとって良い年となりますよう、この場を借りて御祈念申し上げております。

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