今日も寒い一日となりました。そんな中、買い物に行った先で
来年の美術展を紹介する雑誌があったので購入しました。
来年も様々な展覧会が開催予定なのですが、個人的に特に注目なものの一つが9月9日から東京国立博物館で開催される《運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂》展です。
奈良県奈良市にある興福寺北円堂は1210年頃に建てられた寺内に現存する最古の堂宇として知られていて、国宝に指定されています。堂内には
鎌倉時代の大仏師運慶晩年の作である弥勒如来(みろくにょらい)坐像や、無著(むちゃく)・世親(せしん)菩薩立像(いずれも国宝)等が安置されています。
弥勒如来は、
弥勒菩薩が釈迦の入滅から56億7千万年後に悟りを開いた姿とされています。北円堂の弥勒如来坐像は像高141.9センチの寄せ木造りで、運慶の晩年の作として知られています。
無着と世親は大乗仏教の学僧である兄弟で、ともに2m近い大きさを誇ります。眼には水晶を嵌めた玉眼が施され、リアリティある表現が魅力的です。
先日、
北円堂本尊の弥勒如来坐像が奈良国立博物館文化財保存修理所内の工房で修理されることになり、堂内からの搬出作業が行われました。弥勒如来坐像の修理は昭和58年以来、約40年ぶりとなります。
今回の修理では本体の剝落(はくらく)止めなどを実施し、光背(こうはい)と台座も90年ぶりに修理されることとなります。公益財団法人・美術院の修理技術者らが本体と光背・台座に分け、それぞれ丁寧に梱包した上で堂内から運び出してトラックに積み込んでいました。
この修理で堂内から運び出された弥勒如来坐像が、両脇に立つ無著・世親菩薩立像や、現在中金堂に安置されている四天王像(国宝)とともに東京国立博物館にやってくることとなりました。中金堂の四天王像は、最近の研究で実は北円堂に安置されていたものであるといわれていて、今回はかつての内陣を再現するような展示がされるとのことで、非常に楽しみです。
あとは、9月20日から神戸市立博物館で開催される《大ゴッホ展》も注目です。
この展覧会は、阪神淡路大震災発生から30年の節目に開催されるものです。この《大ゴッホ展》はオランダのクレラー・ミュラー美術館のゴッホコレクションが来日し、2期にわたる大規模なものです。
第1期の目玉は、何と言っても
1888年に描かれたアルル時代の傑作の一つ『夜のカフェテラス』が20年ぶりに来日することです。この展覧会は神戸と福島で開催された後、翌年2026年5月29日からは東京・上野の森美術館に巡回してきます。
そして、更に翌年の2027年2月頃から開催される第2期では
同じく1888年に描かれた『アルルの跳ね橋』が、なんと約70年ぶりに来日することが決まっています。こちらも楽しみです。
いずれの展覧会も相当な混雑が予想されますので、いつも忘れがちな前売券を絶対にGETしておこうと思います。来年もいろいろな展覧会に足を運んでみようかと、今から楽しみにしております。