現在日本は貧困層が拡大しています。一番わかりやすいのが、庭なし狭小住宅の増加という現象です。戦後で言うと、文化住宅の林立です。当時、これはまずいということで政府も人々も生産に注力して見事に経済成長をとげ、かなり住宅水準が向上しました。
ところが1990年頃、不動産バブルが破裂し、一気に経済が変調し、国は国債をどんどん発行し、金融緩和を行い、不良会社の救済を行ってきました。海外生産を行うと収益性がいいということで海外生産ブームになりました。しかし日本の人々は仕事を失いました。かつて大繁栄した第二次産業から第三次産業に人が流れ込みました。第三次産業は都市部を彩り、都市部は外観は華やかでした。しかし、その裏は過当競争で、労働対価は下がる方向でした。海外生産に投資した会社は、収益が上がることに満足し、収入の減った日本の労働者のことなど気にしませんでした。国は、人々を使ってくれる会社の倒産を防ぐことで失業率が上がることを防ぐことに注力したので、金融緩和・財政出動に力を入れました。
近年の日本の経済政策には新産業政策がありませんでした。頑張ったのは観光産業、娯楽産業、スポーツ産業など枝葉産業でした。これらの産業はよく茂り、一見、日本経済を支えるかに見えました。しかし、日本経済全体はやっと横這い、国の借金残高は増える一方という惨憺たる状態です。貧困層拡大は止まりません。
安倍晋三内閣は、1990年以降、国がやってきた金融緩和・財政出動を、異次元と表現するほど大規模化して経済成長を狙いました。しかし新産業政策がないため、お金を使っただけという結果になりました。
そこへウイルス禍が襲ってきました。直撃を受けたのが観光産業、娯楽産業、スポーツ産業などの国が力を入れてきた枝葉産業でした。今は枝葉はしおれています。枯れるのではないかと言われています。国はGo toキャンぺーを打って、何とか観光産業を助けたいと考えました。よかったという地方もあるようですが、枝葉が元気になったというお話しはありません。多少お金が動いたという結果だったと思います。
近年トランプアメリカ大統領が、中国からの輸入を減らし、国内生産を増やすことに注力しています。これは注目すべき政策と思います。日本も海外生産重視を見直すべきです。会社の収益が上がっても日本の人々が過当競争で低収入に苦しんでいるようでは国は健全ではありません。海外生産ですと間違いなく日本の技術開発力は低下します。日本の生産力の低下は歴然です。技術開発と生産は日本の新産業復活の鍵です。国は、保守の経団連などと相談せず、国内新産業育成に熱心な国内会社や大学とよく相談し、新産業育成計画を作成し、人々が生活しやすい国づくりに注力してほしいと思います。
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