じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

山口雅也「黄昏時に鬼たちは」

2022-04-02 16:40:39 | Weblog
★ この4月から成人の年齢が18歳に引き下げられた。長寿化する中で、成人年齢を引き上げてもよいくらいだが、それを引き下げる背景は少子高齢化だろうか。若い人に積極的に社会に参加してもらいたいという願いからか。

★ といっても、長年の慣習を変えるのは法律を変えるほど簡単ではない。各地の成人式は「二十歳の集い」などと名称を変えながら、継続するようだ。18歳の冬は大学入試の真っただ中でもある。かつて成人式は通過儀礼であった。今では大学入試(あるいは高校卒業)がそうした意味合いを持つのかも知れない。

★ 今日は山口雅也さんの「黄昏時に鬼たちは」(日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 仕掛けられた罪」講談社文庫所収)を読んだ。

★ 都心の飲食店などが軒を連ねる雑居ビル街。路地裏に据えられたポリバケツの中から死体が発見された。一目して他殺とわかる惨状。死後多くの時間は経過していないようだ。しかし、なぜ彼はこんな場所で殺されねばならなかったのか。

★ 彼は大学生のサークルが主催する「隠れ鬼(かくれんぼ)」のイベントに参加していた。もともとは学生のお遊びのようなものだったが、今はNPO法人と提携し、引きこもりの人々も積極的に参加しているという。「大の大人が」と思える「隠れ鬼」。しかし、それは彼らにとって、通過儀礼の疑似体験として効果があるという。

★ この作品のトリックは読者の思い込みだ。「あぁ、そうだったのか」と意外に納得してしまう。

★ 週末は、ドラマ「准教授 高槻彰良の推察」第2シーズンと「ピカード」を楽しんでいる。いよいよ新学期。今年度も忙しくなりそうだ。
コメント