じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

小池真理子「獣の家」

2022-04-12 21:06:29 | Weblog
★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 犯行現場にもう一度」(講談社文庫)から、小池真理子さんの「獣の家」を読んだ。

★ この巻は、髙村薫、中島博行、連城三紀彦、小池真理子、貫井徳郎、歌野晶午、日下圭介、加納朋子、藤田宣永、夏樹静子とビッグネームが並ぶ。

★ 「獣の家」は華々しい披露宴で幕が開く。新婦は主人公の妹。男女のもつれに話が進むのかと思いきや、主人公が高校生、妹が中学生の頃のある出来事が回想される。

★ その頃、主人公の家の近くにトタン屋根の小屋があり、そこに独りの老人が住んでいた。気の良い人で、廃品回収で生計を立てていた。主人公の妹はどういうわけかこの老人と気が合うらしく、その小屋によく出入りをしていた。そんなとき、老人が死んでしまう。

★ 老人の死をめぐって、物語はダークな世界に入っていく。話の進め方が、うまいなぁーと思う。恐ろしい余韻を残して物語は終わる。人間の心の闇に触れてしまった気がした。

★ ドラマでは今野敏サスペンスシリーズ(テレビ東京版)を楽しんでいる。「暁鐘」(第12作目)、「回帰」(第6作目)と観て、次はどれを観ようかな。
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