じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

高橋克彦「鬼女の夢」

2022-04-09 14:29:41 | Weblog
★ NHKドラマ「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」から「ボッコちゃん」を観た。バーのマスターが趣味で作った人型ロボット。容姿は麗しいが、頭は空っぽ。プログラムされた簡単な受け答えしかできない。しかし、そのあっさりした対応が意外と受けて、店は大繁盛。しかし・・・。

★ 改めて原作(「ボッコちゃん」新潮文庫)を読んだ。ほぼ原作に忠実にドラマ化されていた。最近はアレクサと会話をしている人もいる。「ボッコちゃん」は案外良い商品になるかも知れない。喪黒福造ではないが「くれぐれの取扱にはご注意を」。

★ さて、日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 殺人格差」(講談社文庫)から、高橋克彦さんの「鬼女の夢」を読んだ。高橋さんの自伝的小説だという。

★ ある夜、主人公は一緒に寝ていた弟が何者かにさらわれていく夢を見た。背に逆さに吊られた弟。何者かは振り返る。それが叔母の顔をしていたというのだ。それも鬼の形相で。

★ 主人公は学校に通うため叔父夫婦の家に下宿していた。子どもだったせいか叔父夫婦に遠慮なく甘えていた。しかし、成長して振り返ってみると、叔母の笑顔に隠された気持ちが痛く突き刺さる。当時、叔母は昔気質の姑ともうまくいっていないようだった。

★ 叔母が亡くなって法事で集まった親族。主人公に叔母の素顔が蘇る。それは「鬼」などではなかった。
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