じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森見登美彦「桜の森の満開の下」

2022-04-05 22:50:03 | Weblog
★ ドラマ「准教授 高槻彰良の推察」第2シーズンを観終わった。4話完結というのは少々物足りないが、ロケ地の湖(大沼池だという)は美しかった。

★ 高槻先生が怪異体験は謎のままだが、春と言えばいにしえの人は桜の下を恐れたという。森見登美彦さんの「新釈走れメロス」(角川文庫)から「桜の森の満開の下」を読んだ。知る人ぞ知る坂口安吾作品のパロディ(翻案)だ。

★ 森見作品の舞台は京都。哲学の道沿いの古アパートだ。坂口作品の主人公は山賊だったが、森見作品ではパッとしない学生が主人公。桜満開の春、彼は早朝、ベンチで酒に酔った女性と出会う。いろいろあって彼女と同棲し、遂には東京まで進出するのだが・・・。

★ 最後、あれほど恐ろしかった桜の花の下で、男はじっとベンチに座っている。男にはもう帰るところがないという。

★ 坂口作品も森見作品もエンディングは意味深だ。桜を眺めながら、主人公の心境に迫りたいものだ。消えてしまわなければ良いのだが。

★ ウクライナの惨劇(ロシア軍による虐殺)のニュースを見てため息が出る。人はどうしてこれほどまで残虐になれるのか。ロシア人すべてが悪人ではないだろうが、一体どうしてしまったのだろうか。
コメント