★ 歴史上、人間を脅かしてきたものといえば、自然災害、疫病、それに戦争が代表格だろうか。自然災害や疫病は被害を小さくするのがせいぜいの手立てだが、戦争は防ごうと思えば防げるものだ。にもかかわらず、それが絶えないのは、なぜなのだろうか。
★ 久しぶりにネットフリックスで映画「夜叉」(2022年)を観た。北朝鮮に近い中国の都市、瀋陽。そこでは各国の情報機関が活発に活動しているという。韓国の工作チームの動きがおかしいということで、本国から堅物の検事が監査役としてに送られる。しかし、彼が目の当たりにしたのは、殺すか殺されるかの工作戦だった。日本のスパイ役、池内博之さんが良い感じだ。
★ さて、韓国映画を観たせいか、今日は五木寛之さんの「海を見ていたジョニー」(講談社文庫)から「私刑の夏」を読んだ。
★ 終戦からすでに1年が過ぎていた。しかし大陸にはまだ多くの日本人が残され、日本(内地)への帰国を望みながら、飢えや病や戦闘(あるいは拉致)で日々生存者が減っていく過酷な状況だった。結城は肺を病みながら、拉致された男たちに代わり、老人、女性、子ども中心の貧乏集団のリーダーとして帰国のチャンスをうかがっていた。
★ そしてそのチャンスが訪れる。ソ連の将校に顔がきく星賀という男と出会って、大規模な帰国計画を知る。そして遂に、実行に移されるのだが・・・。
★ 戦時下で道理が通じるはずもなく、ある者はカネに、ある者は銃にモノを言わせて生き残ろうとする。極限状態で、なお自らの使命を自覚し、気高く生きることは難しい。何はともあれ、理屈を抜きにして作品に入り込めるのは、五木さんのうまさだね。
★ 久しぶりにネットフリックスで映画「夜叉」(2022年)を観た。北朝鮮に近い中国の都市、瀋陽。そこでは各国の情報機関が活発に活動しているという。韓国の工作チームの動きがおかしいということで、本国から堅物の検事が監査役としてに送られる。しかし、彼が目の当たりにしたのは、殺すか殺されるかの工作戦だった。日本のスパイ役、池内博之さんが良い感じだ。
★ さて、韓国映画を観たせいか、今日は五木寛之さんの「海を見ていたジョニー」(講談社文庫)から「私刑の夏」を読んだ。
★ 終戦からすでに1年が過ぎていた。しかし大陸にはまだ多くの日本人が残され、日本(内地)への帰国を望みながら、飢えや病や戦闘(あるいは拉致)で日々生存者が減っていく過酷な状況だった。結城は肺を病みながら、拉致された男たちに代わり、老人、女性、子ども中心の貧乏集団のリーダーとして帰国のチャンスをうかがっていた。
★ そしてそのチャンスが訪れる。ソ連の将校に顔がきく星賀という男と出会って、大規模な帰国計画を知る。そして遂に、実行に移されるのだが・・・。
★ 戦時下で道理が通じるはずもなく、ある者はカネに、ある者は銃にモノを言わせて生き残ろうとする。極限状態で、なお自らの使命を自覚し、気高く生きることは難しい。何はともあれ、理屈を抜きにして作品に入り込めるのは、五木さんのうまさだね。