じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

夏樹静子「尽くす女」

2022-04-16 23:43:09 | Weblog
★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 犯行現場にもう一度」(講談社文庫)、最後を飾るのは藤田宣永さんの「生きた証拠」と夏樹静子さんの「尽くす女」。どちらも中年の(あるいは初老の)男女が主人公の話。親近感を感じるのは、自分もこの年になったせいだろうか。

★ 「生きた証拠」は、ある探偵が語り部。この探偵、今は解散したが、ある小さなヤクザ組織の御曹司。最近頻発する空き巣事件。仏壇に線香を備えると言った手口から、かつての組員の犯行を疑う。それに、今回は殺人まで。「まさか」とは思いながら、真相究明に乗り出す。人間と年を重ねても色恋だけは別物らしい。

★ 「尽くす女」はあるボランティアの女性が主人公。この女性、人に尽くすのが趣味のようで、身寄りのない年寄りを見つけては世話を焼く。世知辛い世の中、最初は奇妙がっていた年寄りも、日を重ねるほどに感謝の念をもつようになる。ある年寄り(と言ってもまだ60代だが)など、身寄りもなくその上、大病を患い、孤独に臥せっていた。女性の献身的な援助で気持ちよく旅立ったようだった。

★ しかし、この女性にはある策略があった。

★ 藤田さんも夏樹さんも、さすがにうまい。楽しく読ませてもらえる。

★ 今日はドラマ「ピカード」と「今野敏サスペンス 連続ドラマ編」から「海風」を観た。1日中、授業だったが、楽しい1日だった。
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