★ 乃南アサさんの「不発弾」(講談社文庫)から表題作を読んだ。
★ 大手デパート勤めの男。四十の厄年を前に、勤務先では中堅、家庭では妻と一女一男、二人の子どもに恵まれていた。とりわけ裕福ではないが、そこそこの生活を過ごしている。まずは理想的な生活を送っているはずだった。
★ ところが、どこで歯車が狂ってしまったのか。妻も子どもたちもそれぞれ、自分たちの生活を歩み始め、ふと気づけば家庭内で自分はただ給料を運んでくるだけの存在になっていると知る。カネを払って養わせてもらっているのか、男は徐々に憤懣を内に募らせていく。まさに、不発弾状態だ。
★ この男、人が良すぎるのか、それとも自己表現が下手なのか。どうも言葉や態度で気持ちを伝えるのが苦手なようだ。どんな善人も言葉や態度で示さなければ人には伝わらないものだ。
★ 男に同情は禁じ得ないが、怒りがおさまらず家を飛び出すあたり、中学生の息子と似ているようで、息子同様、しばらく頭を冷やしたら、また戻ってくるんだろうなぁと思えてしまう。
★ 世間体を気にせず、自分なりの価値観で生きられれば良いのだが。
★ 新聞広告で、中澤雄大著「狂伝 佐藤泰志の無垢と修羅」(中央公論新社)の広告を観た。佐藤泰志さんの作品は読んだことがない。彼の作品を読んでみようかなと思った。
★ 大手デパート勤めの男。四十の厄年を前に、勤務先では中堅、家庭では妻と一女一男、二人の子どもに恵まれていた。とりわけ裕福ではないが、そこそこの生活を過ごしている。まずは理想的な生活を送っているはずだった。
★ ところが、どこで歯車が狂ってしまったのか。妻も子どもたちもそれぞれ、自分たちの生活を歩み始め、ふと気づけば家庭内で自分はただ給料を運んでくるだけの存在になっていると知る。カネを払って養わせてもらっているのか、男は徐々に憤懣を内に募らせていく。まさに、不発弾状態だ。
★ この男、人が良すぎるのか、それとも自己表現が下手なのか。どうも言葉や態度で気持ちを伝えるのが苦手なようだ。どんな善人も言葉や態度で示さなければ人には伝わらないものだ。
★ 男に同情は禁じ得ないが、怒りがおさまらず家を飛び出すあたり、中学生の息子と似ているようで、息子同様、しばらく頭を冷やしたら、また戻ってくるんだろうなぁと思えてしまう。
★ 世間体を気にせず、自分なりの価値観で生きられれば良いのだが。
★ 新聞広告で、中澤雄大著「狂伝 佐藤泰志の無垢と修羅」(中央公論新社)の広告を観た。佐藤泰志さんの作品は読んだことがない。彼の作品を読んでみようかなと思った。