
自分の意志とは逆に、どうしてもたぐり寄せられてしまう運命というものがあるのかもしれません―
とても深くて、人生を考えさせられる一冊です。
まだ読んだことのない方にはぜひお薦めしたいと思います。
主人公の、少年時代の何気ない出来事が、
人生を決定づけてしまう…
長い長い年月の物語。
降りかかる運命に向き合い、
考え、
悩み、
真実と正義と人それぞれの幸せの価値観を導き出していく姿には感銘を受けます。
ナチスドイツのホロコーストが背景になってはいますが、
その背景がたとえなくても、人生を考える上で普遍的なものがあります。
こうきたか!
その展開するストーリーには驚かされますが、とても説得力があります。
長い年月と人の奥底に沈む感情の動きにも納得してしまうのです。
哀しみが渦巻いているのに、読後感はすっきりしています。