ずっと読みたかったのですが、文庫本になったので買いました!
(薄っ)
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私自身は普通の人間なのか?
この本を読んでいくと、
まず自分自身が普通なのかという疑問がわいてきます。
普通とはいったい何なのでしょう?
作者の村田さんは、
周りの、普通であることの強要に対して、
毅然と異を唱える、というわけでもなく…
コンビニのアルバイトが18年にもかかわらず、
社員並みの仕事が出来るようになっているにもかかわらず、
待遇が少しも社員に近づかないことに対して、理不尽を唱えているわけでもありません。
そこら辺の作者の主張がないのが、逆に心地よく読むことが出来ることになっているのかもしれません。
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子供の頃から普通ではなかった主人公…
まわりから普通であることを要求され続けてきたのですが、
(不思議なことに)コンビニで働いている時は、普通以上に社会に的確に働くことができるのです。
前半は、
行動範囲が狭いせいか、
観察眼のある主人公の日記を読んでいるようです。
変わった人物として主人公は描かれていますが、感覚的にはとても理解しやすいです。
コンビニ、またはコンビニと人間の関係の描写は、なるほどと思わせます。
ありありとその様子が浮かんでくるんです。
コンビニはほとんどの人が知っていて、わかっている気になっているけど、
これほど豊富に語ることはできません。
後半は、
小説らしくなってきた感あります。
前半と後半で空気感が変わり、ちょっと違和感がありましたけど。
いよいよコンビニを辞める、となりますが、
18年続いたものを辞めるきっかけが、突然過ぎてこれも違和感がありました。
辞めるときはあっけないものだとは思うのですが、
読者が腑に落ちるような感じにしてほしかったと思います。
辞めてからも、コンビニ周辺での出来事や小さな事件が起き、
おもしろく読むことは出来たのですが、
狭い空間の中の物語のせいか、行きつくところ(当然の場所)へ行ってさっさと終わってしまったのが残念でした。
もう少し読みたいと思いました。
もう少し発展させた物語が読みたいと思うのでした。
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「ページを捲る」
のフリガナを、わざわざ「まくる」と振ってありますが、
その違和感が、読んでる最中も気になって気になって^^;
なぜ「めくる」ではないのでしょう…。