折にふれて

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音楽とともに、折にふれてあれこれ。

瀬戸内という風景 By空俱楽部

2022-11-19 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


瀬戸内の夜明け。


     江の浜漁港(高松市庵治)2022.11.06  06:13am      Sony α7R3  FE24-70mm  F2.8 GM2 (f/5.6,1/80sec,ISO160) 

 

兄妹三家族で出かけた4泊5日の旅。

丹後、広島、四国と車で巡る中で、もっとも眺めてみたかったのが瀬戸内の景色だった。

とは言え、どの場所のどんな風景といった具体的なものではない。

頭の中に広がる「瀬戸内」を旅の途中で見つけてみたい、と勝手に思い込んでいたのだ。

瀬戸内へは何度か足を運んでいる。けれどもそれは写真を撮り始める前の話。

その折々に眺めた風景が記憶の束となってしまい込まれ

それが繋ぎ合わされて瀬戸内にイメージとなっている。

また、ひょっとするとそこには

『瀬戸の花嫁』の情景も加わっているのかもしれない、と思ったりもしていた。

ともかく、夢の世界を探すようなもの。今になってみると子供じみた所業だったと思う。

とどのつまり...。

鞆の浦、尾道、しまなみ海道、鳴門海峡などそれぞれにすばらしい景色に出会うことはできた。

だが、どれもが自分が思い描く「瀬戸内」とはどこか違っていた。

記憶が作り出した勝手な「瀬戸内」は見つからなかったのだ。

 

さて、旅を終えて写真の整理をしていた時、ふと一枚の写真に目が止まった。

旅の最後の朝。散歩の途中のこと。

捨て写真になるだろう、くらいの感覚でなにげなく撮った写真だ。

遠く島影が浮かぶ穏やかな海が広がっている。

近場では、何か養殖の生簀だろうか、小舟に乗った漁師たちがその合間を

忙しそうに行き来していた。

そこへ大型フェリーが意外なほど海岸近くを当たり前のように横切っていく。

それだけのもので地元の人にすれば日常的な景色でしかない。

けれども、こんな日常こそが探そうとした景色だったのかもしれないな、と

そのとき思えてきたのだ。

 

 

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