折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

夕焼けの予兆 By空倶楽部

2021-06-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、今回も蔵出し写真から。

    加佐の岬(石川県加賀市)2020.06.06  18:11      Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/13,1/80sec,ISO100) 

 

ちょうど一年前となるが

この写真を眺めながら、その日の夕焼けの見事さを思い出していた。

 

その夕焼けは、文字通り、全天を焦がすかのようで、

写真を始めてからの記憶を辿っても一二を争う夕焼けだったと

今も印象深く覚えている。

 夕焼けの条件 By空倶楽部

ところが...。

その夕焼けに向き合ったとき

「どう撮ったものか」と迷いに迷ったのだ。

広角ズームを選んだまではよかったが

ひとつのアングルにこだわったあまり、

結局は、納得のいく出来にはならなかった。

夕焼けはもちろんのこと、水平線も灯台も入れたい。

そんな欲張りから、逆に夕焼けのスケール感が失われてしまったように感じたからだ。

そのことを今でも思い出し、悔やんでいたのだが、

あの時、お蔵入りにした何枚かの写真を眺めていたら、

空が焼け始める直前の空に目が釘付けとなった。

大きく開けた空に雲が躍動している。

そこにあの時見た夕焼けの記憶が重なったのだ。

そして、次にあの夕焼けが現れたなら、

「今度はこのアングルで撮ってやろう。」

そう思って、この光景を記憶の引き出しに仕舞いこむことにしたのである。

 

 

 

 

 

 

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ワクチン顛末記

2021-06-27 | 折にふれて

昨年、訪れた醒ヶ井宿で心に留めた深緑、青紅葉。

この時節らしい雰囲気を感じていただけたら幸いだ。


 醒ヶ井宿(滋賀県長浜市)  Sony α7S2  Planar 50㎜/f1.4 ZA SSM (f/2.0 , 1/60sec , ISO100) 

 

先週末、2回目のワクチン接種を終えた。

「65歳以上」の枠組みの中で早めに対処できたのは幸いだが、

ただ、私の場合、年齢のわりには強い副反応が出てしまうようだ。

それで、これから接種を受ける方にとって少しでも参考になればと

その顛末記をご紹介。

 

一回目の接種を受けたのが6月4日の金曜日。

その日、ワクチンを打った個所に多少の痛みはあったものの違和感程度だった。

副反応が出始めたのは翌朝9時ころから。

その腕が猛烈に痛くなり、軽く触っても激痛。

当然ながら手を上げることすらもできない。

熱も出始めて、お昼時点では37.5度。

平熱が36度以下なので、この程度でも私にとってはつらい。

さらに夕方には38度まで上がったので水分を多めにとって

食事を摂ることもできずに休んだ。

12時ころまでは1時間ごとに目が覚める。

熱に浮かされるというのはこのことかと思ったりもして

心細くもなりかけたが、その後、急速に熱が下がったようでぐっと寝入ることができた。

そして、翌朝。

5時に目が覚めた時にはすっかり回復し、腕の痛みも和らいでいた。

 

それで6月25日、二回目のワクチン接種のこと。

一回目で38度の熱が出たことを医師に訴えたのだが

「珍しいですね。私がこれまで打った中で初めて聞きました。」とあっさり。

また「抗体がしっかりできている証拠です。」とまともに取り合ってもくれない。

「初めて聞いた...」と言いつつも

この程度の副反応は予想しているようだ。

そして、一般的には二回目の方が副反応が強く出ると言われているが...。

副反応の症状、現れるタイミングはまったく同じ。

いや、現時点でも微熱があるので、やはり強く現れているのかもしれない。

けれども今回はさほどつらくはなかった。

打つ前から解熱剤や冷感シップなど準備し、

適宜、処方したからで、腕に激痛は走らなかったし、熱も37.5度止まりだった。

厚生労働省のホームページにワクチン接種に関する「Q&A」のコーナーがあって

そこには副反応のことも細かく書かれている。

市販の薬でも緩和でき、その成分も明示されている。

そもそも、副反応は病気ではないので主治医以外の病院では

薬の処方をしないことが一般的らしい。

なので、副反応が心配な方はぜひそのコーナーをご参考いただきたい。

 

さて、微熱による多少の気だるさの中、この記事を書き出し

そして、youtubeで今の気分にあった音楽を探してみた。


 PETER, PAUL AND MARY ALIVE  "500 Miles" 

ピーター・ポール&マリーの「500マイル」で

このブログでも何度か取り上げているが

今回はライブ映像だ。

彼らの様子からするとかなりの晩年。

マリー・トラバースはすでに亡くなっているので

貴重なライブ映像だと思う。

語りかけるようなマリーの歌声、

そして、その歌声を控えめながら、しっかりと支える

ピーターとポールのコーラス。

心洗われる気がした

 

 

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もうひとつの『 Without You 』 By空倶楽部

2021-06-19 | 折にふれて

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


このところ何度かの週末、何かと出そびれて空写真が枯渇。

それで、やむなく二年前の写真を蔵出し。

 塩屋港(石川県加賀市) 2019.08.25 18:25   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (28㎜ ,f/8,1/200sec,ISO100)   

 

日本海へ注ぐ大聖寺川河口に開けた塩屋港。

河口を利用した港は石川県ではよく見られる。

外港に比べ悪天候の影響を受けにくいことが

築港に起因しているのか、そのほとんどが北前船以来、藩政時代からの歴史を刻んでいる。

さて、その日。

快晴だったせいか全天を焦がす夕焼けとはならなかった。

けれども、水平線近くに張り出した雲から一瞬のぞいた陽が

穏やかな川面を赤く染めたこの光景を印象深かく覚えている。

 

話は違うが、最近、夕暮れで連想する曲がある。

というか、仕事帰りに車の中でよく聞いているので

夕景の印象に重なったというだけなのだが...。

 
  Heart - Without You


アンとナンシーのウィルソン姉妹率いるロック・グループ、ハートによる『 Without  You  』。

ご存知の方も多いと思うが、この曲、実はカバー。

そして、この曲を有名にしたのがハリー・ニルソンによる楽曲だった。

それを初めて聞いたのは中学生の頃。

明け方のラジオから流れた美しい曲の印象を今でも鮮やかに覚えている。

ところが、そのニルソンのバージョンもカバーで

オリジナルはイギリスのロックバンド、バッドフィンガーだ。

ニルソンほどの大ヒットではなかったし、今では知っている人すら少ないと思う。

けれども、シンプルで朴訥とした演奏と歌の中から

作り手の沁み沁みとした情感が伝わってくる。

そのことは以前の記事にも書いているので

興味のある方は聞き比べて欲しい。

   Without You   2015.01.15

話を元に戻すが、ハートによる『 Without  You  』。

レッド・ツェッペリンをリスペクトするだけあって音作りはあくまでも重厚。

ドラムとベースがシンクロした重くメリハリの効いたリズム。

そこに切なくも美しいメロディが重なり

さらに、囁くように始まるアン・ウィルソンのボーカルはやがて激しいシャウトに変わり

「去っていった恋人」への思いを情感を込めて歌い上げる。

これはもう「ハートのオリジナルでは?」とさえ思えるほどの力作だと思う。

その感動の『 Without  You 』を聞きながら家路に着く。

ささやかながら、この「クールダウン」が毎日の楽しみとなっているのである。

 

 

 

 

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Reflection

2021-06-13 | 風の風景 光の風景

 

なんとなく置き去りにしてしまった昨年の写真を。

 

   加佐岬(石川県加賀市)2020.06.07 19:02  Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70㎜  f/2.8,1/80sec,ISO125)    

 

陽が沈む寸前のこと。

崖ぎりぎりに咲く花に思いきり寄ってみた。

とは言え、花に興味があったわけではない。

波間に残された光跡が消え去る前に

ただただ繋ぎとめようと思ったのだ。


かつてビーチボーイズの中心的な人物だったブライアン・ウィルソンが

久しぶりに歴代のメンバーをゲストに迎え

発表したソロアルバム「 NO PIER  PRESSURE 」からの選曲。

 
  Brian Wilson - Whatever Happened  ft. Al Jardine, David Marks

さあ、夏よ来い!

 

 

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孤独のメッセージ By空俱楽部

2021-06-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


この道を何度となく通っていたにもかかわらず

なぜかこれまで気がつかなかったカーブミラー。

            
                                     越前海岸(福井市) 2021.05.09 18:39   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/13,1/60sec,ISO125) 

 

遮るもののない海沿いの道の

緩やかなカーブにすくっと立つミラー。

寄ってみて、右だ左だと角度を変えながらその表情を窺う。

また、離れたところから望遠でその顔つきを覗き込む。

そして、ちょうど夕陽が落ちるとき。

ちょっと引き気味に広角で捉えてみたところ

なにか言いたげなその姿がいちばんしっくりときた。

 


 
  The Police - Message In A Bottle

 

 

 

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I beg your Pardon? その2

2021-06-06 | 自分史・家族史

 

前回の記事の続き。

 

     金沢市南綜合運動公園 2021.05.23  17:48       Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4ZA SSM (f/1.4 , 1/640sec , ISO100) 

 

大学二年、二十歳の時。

縁があって海外の留学生や研修生が寄宿する施設でアルバイトを始めた。

そこはアジア、中近東、アフリカ、中南米といった

当時、開発途上国と呼ばれた地域の人たちを受け入れて

日本語教育や日本文化の紹介など

日本企業での就業や研修を手助けする財団法人が運営する施設だった。

仕事はホテルでのフロント業務のようなものだったが、

日中は正規の職員が勤務し、夜間と休日は私を含めた6人の学生アルバイトが交代で担当した。

主には館内の案内や電話の取次ぎ、都内の交通案内など

中学生程度の英語力で大丈夫とのことだったので

外国人と交流することで自分の視野が広がるかな、という青臭い発想で応募したのだが、

そんな甘い話ではなかったことを身に沁みることになる。

それまで学んだ英語はほとんどが受験のためのもの。

言わば「畳水連」のようなもので、簡単な会話さえ全くついて行けなかったのだ。

他の5人は施設からほど近い東京外語大学の学生で

英語はもちろん聞いたこともないような外国語を流暢に話していた。

すぐに辞めようと思ったのだが

武道系の運動部に所属していたので

「ここは外国人同士のもめ事も多く、用心棒も必要だから」

と引き留められ、その後2年近く働くことになった。

アルバイトのリーダー格の先輩に教わったのは

受験英語が染みついていると文法にこだわるあまり言葉が出なくなるから

まずは必要な単語を並べなさい、ということだった。

なるほど、確かに通じた。

ところが、話す前に聞き取ることができない。耳が慣れていなかったのだ。

そこで思い出したのが...

 " I  beg  your  Pardon ?   " (もう一度いってください) 

実際には、「 Pardon ? 」の一言で通じるもので

すると、相手の外国人はていねいにゆっくりと話しかけてくれる。

これが外国人との初めての会話で、その後しばらくは「 Pardon ? 」を連発することになる。

その施設に寄宿する外国人は短くても数週間の滞在、

長ければ数年にもなるので、次第に気心も知れてくる。

気心が知れると、言いたいこと聞きたいこともなんとなくわかってくるもので

「 Pardon ? 」と聞き返すことも徐々に減って行き、

外国人たちとのふれあいが有意義で「楽しい」と思えるようになっていった。

その施設に寄宿していた人たちの国は今でこそそれなりの発展を遂げているが

その当時の暮らしぶりを聞く限り決して裕福なものではなかった。

また、イランやイラク、アフガニスタンなど今では渡航さえ難しい国の人たちや

南ベトナムなど無くなった国の人たちも暮らしていた。

その寄宿生たちが、時折り、お国自慢の料理を作りもてなしてくれた。

また、屋台のおでんを買ってきて夜遅くまで彼らと話し込んだこともあった。

決して明るい話ばかりでもなかったが、

まだ見たこともない外国の話は興味深く

多感な時期の2年間の経験はその後もずっと

忘れがたい記憶として心に刻まれた。

そう、彼らが私につけたあだ名「パードン君」とともに。

 

 

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I beg your pardon ?

2021-06-05 | 自分史・家族史

昨日は第一回目のワクチン接種。

今日の症状は腕の鈍痛と37.1度の微熱。

大したことはないが、元々、基礎体温が低めなので

この程度の微熱でも顔が火照っているし、軽い倦怠感もある。

それで今日は大事をとって休養、

朝から部屋に籠って写真の整理と決め込んだ。

 

さて、バラの季節はとっくに過ぎたが、

整理した写真の中のバラ園の光景を振り返りつつ昔話をひとつ。

  金沢市南綜合運動公園 2021.05.23  17:59       Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4ZA SSM (f/2.2 , 1/640sec , ISO100) 


バラが咲き誇る様子を眺めると思い出す曲が

リン・アンダーソンの『ローズ・ガーデン』だ。

 
  Lynn Anderson - (I Never Promised You A) Rose Garden 

 

1971年の曲というから中学生の頃に流行っていたものだ。

カントリー調の軽快な曲で耳障りもいいのだが、

実はこの曲そのものに深い思い入れがあるわけではない。

この曲の歌いだしの歌詞、” I  beg  your  pardon " を思い出すのだ。

受験英語の常用句や構文を洋楽で記憶したものだが

例えば、サイモンとガーファンクル「コンドルは飛んでいく」の

 " I’d rather be a sparrow than a snail  "   (カタツムリになるくらいならスズメになったほうがいい)

would  rather ~   than だったり

メリー・ホプキン「悲しみの天使」の冒頭 " Once  upon  a  time " (昔、むかし...) だったり、

よく洋楽好きの友人たちと披露し合ったものだ。

そして、” I  beg  your  pardon " (ごめんなさいね)もそのひとつ。

もっとも、この言い回しにはもうひとつの意味があって

語尾を上げて発音することで(もう一度言ってください)となることも覚えた。

それが試験問題に出たかは定かではないが

それから5年後、大学時代のアルバイトでは大いに役立つことになる。

 

長くなりそうなので続く。

 

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夜空を仰いで...みたものの

2021-06-01 | 星空の誘惑

夜空を仰いで 数える星も 

君のいない砂浜は寂しいぜ...。

と、口ずさんではみたものの、

そして、「君」が居ようと居まいと

その夜の星空は寂しかった。

 福井県三国港 2021.05.29  21:05  Sony α7R3  Distagon  24㎜/f2.0 (f/2.8,10sec,ISO200)    

 

最近、ちょくちょくと紹介しているエッセル突堤。

大きく開けた海と空の風景の中に

大きくアーチを描いて伸びる防波堤。

その構造美を入れて星景写真を...と目論んだのだが、

結局、思うようにはならなかった。

その顛末記、というか反省。

・快晴の予報に裏切られた(...これはしようがない)

・背後の温浴施設の照明が明るすぎた(営業終了の23時まで待つしかない。この日は雲が張り出したため待機断念)

・沖合で操業する漁船の灯りが意外と影響する(ハーフNDフィルターを使うしかないか)

・この時期の西の空は寂しい。天の川銀河や夏の大三角を狙うなら8月以降。

・街が近く、釣り客も多いので熊の心配はなし

・あとは運と根性

    以上、備忘録として

 

 
    加山雄三 - 夜空を仰いで

 

 

 

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