折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

雨晴狂騒曲 (早朝撮影の備忘日記)

2019-02-26 | 折にふれて

2019年2月24日の早朝の雨晴海岸撮影について

その写真の一部は前回投稿したのだが、

備忘録として、その撮影状況を事前準備も含めて記載しておこうと思う。

題して、雨晴狂騒曲。

(...寄る年波、来る痴呆に備えた予防処置でもある。)

 

1.この日のコンディションについて

  日の出時間 6時30分

  気象予報  快晴 午前6時の気温 -1℃(高岡市)

   ※ただし、雨晴海岸は放射冷却の影響を強く受け、さらに気温低下が予想される。

        知り合いの情報では、快晴時、最低気温-8℃を経験したこともあるとか。

 

2.準備、必需品について

  ※充分な防寒対策が必要 ベンチコート、手袋、ニット帽、防水防寒靴、使い捨てカイロ

  ※その他準備 タオル(カメラ機材に付着した潮払拭)、懐中電灯、カメラ保温カバー

 

3.往路経過

朝、4時40分に金沢の自宅を出発。

北陸自動車道、高岡砺波JCTから能越自動車道を経由し、高岡北ICを降りて一般道。

途中、県境付近の道路温度計はマイナス3度を表示。

5時50分、雨晴海岸着。最寄りの無料駐車場に車を停めて、

女岩近くの撮影スポットに徒歩で向かう。

白み始めた空を眺めながら10分ほど歩く。

 

・・・・・!

 

すでに数十人のカメラマンがスタンバイ。

その数、女岩近くの砂浜に20~30人、女岩を正面にのぞむ突堤に10~20人。

 ※この時間でも遅かったか...と愕然とする一方、これだけの同好の士がいたことに感動!

 

4.撮影機材

カメラ SONY α99

レンズ 70-200mm/F2.8 G  +テレコンバータ(*2) 140-400mm相当 ND8フィルター

※NDフィルターについて

 スローシャッターでの波消しもイメージしての準備だったが、

 気嵐の流れが想像以上に速かったので、必ずしも必要ではない。

 

5.撮影経過

カメラ準備後撮影開始 6時10分頃。

・感度設定 ISO100固定

・撮影モード マニュアルモード

 夜明け前の明るさ変化に応じて、絞りとシャッタースピードを小まめに調整。

6時33分、立山連峰から朝日がのそく。

7時頃撮影終了。

すみやかに機材を撤収した後、帰路へ。

 

6.所 感

8時15分頃金沢自宅帰着。そして、あたたかい朝ごはん!

多少、寝不足気味だったが、有意義な長い日曜日を過ごした次第である。

それにしても...、

どうして今まで、全行程わずか3時間半ばかりのことを実行に移せなかったのか...大きな反省。

 

以上、雨晴海岸、早朝撮影備忘にかえて。


 

春の予感とともに思い出す軽快なフレンチポップス!


Sylvie Vartan - Irresistiblement  (あなたのとりこ シルビー・バルタン)

 

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雨晴、早春の風景

2019-02-24 | 日常

快晴。 

と、知ったからには出かけないわけにはいかなかった。 

ということで、先週に続き雨晴海岸から。

そして、今回は夜明け前の風景。

 
Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (f/5.6,1/125sec , ISO100) +テレコンバータ(×2)

 

海面をはうように流れる気嵐は、

SNS等に投稿された数々の画像に比べる限り、

その規模や迫力という点で遠く及ばない。

けれども、車で1時間の距離に住んでいるにも関わらず、

早朝の雨晴を訪れるのは今回が初めて、

したがって、ささやかなビギナーズ・ラックだとしても、

「これが気嵐か...」と、正直ときめいたのである。

 

ところで。

早春の風景...と紹介させてもらったが、まだ2月。

そして、気嵐は冬の季語。

この時期、例年の北陸なら、まだまだ春などとは表現できないのだが、

快晴の青空のもと、気温はすでに10℃を超え、

これはもう、れっきとした春。

浮かれた気分で早朝の雨晴を楽しんだ次第である。


 

感じた印象そのままだが、ふと思いついた曲。 


James Blunt-Beautiful dawn

 

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標高差4000m、奇跡の風景  By空倶楽部

2019-02-19 | 空倶楽部

 「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

空倶楽部開設9周年おめでとうございます。

この有意義な集まりを企画された、かず某さん、chacha○さんに心からお礼申し上げます。


 

富山県高岡市雨晴海岸。 


Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (f/11,1/50sec , ISO100) 

 

標高差は4000m──。

富山の自然、そして、その恵みが生み出す海の幸を表わす言葉として、よく聞く話である。

標高3000mを超える山々が連なる北アルプス立山連峰。

冬、そこへ日本海で湿気を帯びた風がぶつかり、雪を降らす。

春に雪解け水が急峻な山岳を下り、深さ1000mの富山湾に注ぎ込む。

その水は山の栄養分を海へと運び、富山湾はカニやエビなど海の幸の天然の生け簀となる。

 

その標高差を、「なるほど!」と納得させるのが、

雨晴海岸から富山湾越しに北アルプスを望む風景だと思う。

春が近づくにつれて、しだいに海も穏やかになり、

雪をたたえ、壁のようにそびえる立山連峰もくっきりと現れることが多くなる。

奇跡の風景の撮影シーズンがいよいよ始まった。


 

夏の歌なんだろうな...と思いつつ、

自分にとっては、春の訪れとともに思い出す曲。


Bertie Higgins - "Key Largo"

 

 

 

さて、本日は空倶楽部7周年を記念して、

これまでの一年間に投稿した空写真の中から、

自選の一枚を掲載することになっている。

なんとなく、おこがましさを感じながら選んだのが... 

 
 Sony α99  Planar 50㎜ (f/2 , 1/80sec , ISO100) 

 

夏、金沢のひがし茶屋街で出会った空で、

激しい夕立の後、秋の訪れを予感させる夕空が広がったことを覚えている。

 

 

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レディ ゴダイバ

2019-02-17 | 折にふれて

少し時間がたったが、バレンタインデーにちなんで。


行事にかこつけた様々な商戦が始まって久しいが、

その火付け役はバレンタインデーではなかったかと思う。

ところが、二月の行事といえば、大量廃棄事件の顛末もあってか、

むしろ、恵方巻きに関心が向いた感がある。

というか、何十年も「義理」の対象として過ごしているので、

もらってはじめて、「今日は14日か...。」という冷めた感覚、

下さった方にはむしろ「不義理」、申し訳ない次第である。

 

それはさておき、ふと思い出したチョコレートの話。

 

ご存知、人気チョコレート、ゴディバだ。

その包装、そしてチョコレートに刻まれたレリーフをよく見ると、

長髪をなびかせた女性が馬にまたがっている。

この女性こそレディ・ゴダイバ(英語ではそう発音する)、

そして、シンボルマークとなって、ゴディバの由縁となっている。

はっきりとした年代は覚えていないが、おそらくは中世のイギリスのこと。

(中世といってもかなり広い年代なのだが…)

ゴダイバ夫人の夫である領主が圧政を敷いていた。

領民が苦しむ姿を見るに見かねたゴダイバ夫人は税を軽くすることを夫に進言した。

ところが、夫は聞く耳を持たず、それどころか、

「お前が一糸まとわぬ姿で馬に乗り、領地を駆け巡ったなら聞きいれてやろう」

と、無理難題を押し付ける始末。

それでも領民を思いやるゴダイバ夫人は羞恥も顧みず、全裸で馬にまたがったという美談。

(ただし、真偽のほどはわからない)

けれども、その伝説が、

どんな事情があって、ベルギーに渡り、そして、ゴディバのレリーフとなったのか...、までは知らない。

 

冷たい雨が降る休日の朝。

出かける予定もなく、一日のんびりしようと、

まずは、そんなウンチクを思い出しながら、ありがたい「義理」の味を楽しませていただいた次第である。


映画「ボヘミアン・ラプソディ」が快調にロングランを続けている。

このままゆくと、興行収入を塗り替える勢いでもあるという。

この映画の圧巻はなんといっても、終盤のライブ・エイド。

その中でとても感動的なシーンがある。

自らの所業が原因で、メンバーたちと不仲となったフレディ。

そして、フレディ自身もエイズによる体調不良と練習不足で声が出ない。

その状態で臨んだライブ・エイドのステージ。

フレディがボヘミアン・ラプソディを歌い始めた瞬間、

ギターのブライアン・メイが驚きの表情を見せる。

全盛期のフレディの声、そのものだったからだ。

さらに、呼応するようにロジャー・テイラーが力強くバスドラムのペダルを踏み出す。

フレディの復活、そしてメンバーたちとの信頼を取り戻した瞬間に背筋がゾクゾクして、

続く映像と音に引き込まれたのだった。

そして、そのライブ・エイドが終わり、映像がエンドロールへと移ったとき、

流れたのが「Don't Stop Me Now」で、興奮の余韻をそのまま受け継ぐ、名選曲だと思った。

前置きがずいぶんと長くなったが、

実は、この曲にもレディ・ゴダイバが登場する。

どこかな…、それも含めて楽しんでいただけたら幸いだ。

Queen - Don't Stop Me Now

 

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秘境、そしてまた秘境 新疋田駅 鉄写同好会

2019-02-11 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


福井県敦賀市、新疋田駅。 


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/800sec,ISO800)    

福井県と滋賀県の県境に位置する無人駅にして秘境駅。

そして、古ぼけた佇まいながら「新」がつく。

そのウンチクについては以前記しているので、興味のある方はご参照願いたい。

秘境駅の記録 北陸本線 新疋田駅 鉄写真同好会  2016.1.11

「廃線の記憶」 柳ケ瀬線 小刀根トンネル 鉄写同好会 2016.4.11

新疋田駅(福井県敦賀市)と鳩原ループ線  鉄写同好会  2014.5.11

 

さて、あらためて新疋田駅。

ここを訪れるたびに気になっていたことがあって、

それはこのあたり一円を表わす地名「愛発」のことだ。

「あらち」と発音するので、当て字に間違いないが、

敦賀(つるが)が古代朝鮮王朝の王子「ツヌガアラシト」由縁の地名であることを思うと、

おそらくは、有史以前の何らかの事情でそう呼ばれ始めたのだろう。

結局、地名そのものの謂れははっきりしないのだが、

この「秘境」がかつては歴史の表舞台にあったことがわかった。

奈良時代から平安時代初期にかけて、

ここには、不破の関、鈴鹿の関と並ぶ三大関のひとつ、愛発の関が置かれていた。

関は畿内防衛を目的とした軍事施設で、

その中でも愛発は越の国と接することから、

東の守り拠点として、重要な地であったらしいのだ。

現に日本史の教科書にあった恵美押勝の乱(764年)。

政権の重職にあった藤原仲麻呂(恵美押勝)が反旗を翻した際、

越前へ逃亡する恵美押勝の軍勢を愛発の関で押し返したという記録も残っているという。

それを思うと、相当規模の軍事施設だったことが想像されるのだが、

数々の研究や発掘にもかかわらず、

残念ながら、その詳しい所在は分かっていない。

 

話は変わるが──。

北陸新幹線の敦賀延伸工事が急ピッチに進められていて、

4年後の2023年に開通する。

さらに京都までの延伸も計画されていて、

現在の北陸本線を大きく迂回する若狭小浜ルートが決定している。

まだまだ先のこととはいえ、

この秘境駅はさらに歴史の彼方へと押しやられることがすでに決まっているのだ。

日本鉄道史の黎明期と変遷、

そして急こう配を克服する鳩原ループ、

そこに日本古代史が加わって、

新疋田駅によせる思い入れがまたひとつ強くなった。


2016.1.11の「秘境駅の記録」でも選曲した

スティーブン・スティルス率いるマナサスからふたたびの選曲。


Stephen Stills/Manassas     Right Now

そのバンド名が南北戦争の激戦地の駅名に由来するということで選曲した次第だが、

この曲が収録されているデビューアルバム、

なかなかの名曲ぞろいで今でもよく聴いている。

 

 

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冬の枝になぐさめあり  By空倶楽部

2019-02-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

立春を過ぎて以来、金沢では10℃超えの暖かい日が続き、

まるで、本当の春がやってきたようにも思えたのだが…。

観測史上最強の寒波が下りてきたとかで、一転、昨日からは真冬に逆戻り。

この寒さ、そして雪交じりの日がこの先一週間は続くようだ。

 

そんな折、せめて、空倶楽部だけでも冬晴れの景色を。

  
Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/640sec , ISO100) 

 

毎月9日はお題の日。

そして、2月のお題は「樹木と空」。

それで石川県小松市、木場潟湖畔の風景としたのだが、

この冬枯れの散歩道に、いつかの新聞のコラム欄にあった詩の情景が重なった。

きびしい冬に耐え、春を待つ気持ち──、

いや、それだけではない。

いつでも明るい将来が開けていることを指し示す、エールのような力強さを感じたのだ。

 

春の枝に花あり

夏の枝に葉あり


秋の枝に果あり


冬の枝に慰(なぐさめ)あり



花散りて後に


葉落ちて後に


果失せて後に


芽は枝に顕(あら)はる


     内村鑑三 「寒中の木の芽」(抜粋)

 

外は氷点下、そして、時折り小雪も舞っているようだが、

大丈夫! 春はもうすぐそこまで来ている──。 

そんな元気を与えてくれた。

 


 

光景そのままだが...。

「冬の散歩道」  サイモンとガーファンクル


Simon & Garfunkel - A Hazy Shade Of Winter

 

 

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彼方の春

2019-02-03 | 日常

北陸の冬、今年は暖冬ということで、昨年に比べると穏やかな日が続いている。

だが、穏やかといっても、それは積雪が少ないということだけであって、

冷たい雨や雪を降らせる鉛色の空が何日も続く冬に変わりはない。

そして、その冬もすでに2か月。

さすがに嫌気がしてくるのだが、そんな時、訪れるのがこの場所だ。

 

片野海岸 カフェ うみぼうず


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/320sec , ISO100) 

 

もう何年も前になるが、ちょうど今頃のある日のこと。

横殴りの雪が降る、ことさら荒れた日にこの店を訪れたのだが、

店に入ったとたん、寒さでこわばった体とこころが、

暖かさとコーヒーの香りで、一瞬にほころんだことを印象深く覚えている。

さらに、ちょうどその時、雲の切れ間から陽が射しこんで、

テーブルにできた陽だまりを眺めていたら、

春がすぐそこまで来ている──。 

突然、そう思えてきたのだった。

以来、長い冬にめげそうになった時、ここを訪れるようになったというわけである。


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/25sec , ISO100) 

ところで。

「うみぼうず」という茶目っけたっぷりの店名、おそらくはマスターの風貌から名づけたものだと思う。

その風貌には似合わない(失礼!)ソフトな口調が印象的だったが、

なにか、マスターの体に変調があったのか、一年以上休業していた。

したがって、ここを訪れるのは2年ぶりとなる。

上客ではないのでおこがましいが、

営業再開がうれしく、さらにずっと、冬の日の癒しの場であってほしいと願うのである。

(他のシーズンは混雑しているので、冬限定ということで...。 勝手な言い分、ごめんなさい!)

 

さて、今日は節分。そして、明日はいよいよ立春。

あくまでも暦の上でのことだが、

この言葉を口にするだけで、今朝のこころはあたたかい。

 

 


 

なぜそう思うのか、覚えていないのだが...。

冬も終わりごろとなると思い出す曲のひとつが、バッドフィンガーのウイズ・アウト・ユー。


Badfinger - Without You

ニルソンの代表曲として覚えている人も多いと思うが、

オリジナルはこの人たちである。

ビートルズの弟分というふれ込みで鮮烈なデビューを果たし、

数々のヒットも飛ばしたが、中心人物、ピート・ハムとトム・エヴァンスの早世など、

悲運のバンドとしての印象が強い。

あらためて聴いて、そして思ったのだが...。

少ない音で語られる、この「ウイズ・アウト・ユー」にしみじみとした趣きを感じるのは、

このバンドの行く末を知っているからかもしれない。

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