「9」のつく日は空倶楽部の日。
2014年8月 新潟県鯨波海岸を走るトワイライトエクスプレス。
2014.08.30 18:34 Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (35mm f/2.8,1/250sec,ISO12800)
来春、北陸新幹線が敦賀まで延伸される。
それによって金沢から敦賀までの所要時間は30分短縮されて46分。
また、敦賀を経由した大阪までの所要時間も同様に30分短縮され2時間となる。
一方で鉄道輸送の高速化と引き換えに失われるものもある。
「サンダーバード」や「しらさぎ」など在来特急が北陸の鉄路から消えるのだ。
それと同じことが今から8年前にも起こっている。
北陸新幹線の開業とともに廃止されたいくつかの特別急行のことで、
その一つが大阪と札幌を結ぶトワイライトエクスプレスだった。
年のせいか滅びゆくものに共感し、廃止までの一年間、トワイライトエクスプレスを各地で追いかけた。
その中で最も印象に残っているのがここ夕暮れの鯨波だったわけで、
この場所こそがトワイライトと名づけられた列車を撮るに相応しい場所に違いないと
トワイライトエクスプレスの最後の夏を待ち構えたのだ。
実はこの写真を引っ張り出してきたのには訳がある。
その日、日没時間を過ぎてやって来たトワイライトエクスプレス。
徐々にあたりが暗くなるなる中でカメラのISO感度はすでに12800。
当時、常用していたカメラでは限界の感度で、残された写真はノイズがざらつくひどいものだった。
ところがである。最近になって、現像ソフトとして使用しているlightroomにAIによるノイズリダクションが搭載された。
それを試したところ、記憶の風景は鮮明に蘇った。
そして、トワイライトエクスプレスとともに通り過ぎた一瞬の夏を
なつかしく思い出し、この稿に残そうと思ったのである。