春の海...とくれば、
「終日(ひねもす)のたりのたりかな」と、つい呟やいてしまうが...
3月も後半とはいえ、まだ春浅い北陸の海。
海から吹きつける冬特有の激しい風はすでに治まったものの、
その寒さ、体感的にはまだまだ冬、こんなところで、のたりのたり昼寝などとんでもない話である。
ところでここは、日本の渚百選にも指定される小舞子海岸。
美しいからの指定だろうが、海岸に散らばる無数の漂着物を眺める限り、とても百選とは言い難い。
しかし、それも長い春を辛抱した我々北陸人にとっては、ひとつの季節風物詩であって
「春が来た!」とどこかほっとする光景でもある。
そんな渚の風景を楽しんでいたら、声をかけられた。
「イイダコは釣れますか?」
富山からわざわざイイダコを求めて立ち寄ったそうだが、
誰もいない渚で海を眺めている自分をみて釣り人と勘違いしたらしい。
「釣りはしたことがないので...」と答えると
バツが悪かったのか、「何を撮っているのか」「ここは有名なのか」と矢継ぎ早に聞いてきた。
つい「春を撮っている」と答えてしまったが、その後早々に立ち去って行ったところを見ると、
ひょっとしたら変人と思われたのかもしれない。
ともあれ、春の到来を楽しんだ渚でのたわいない話。
春の海といえば、真っ先に連想するのがこの曲。
Sea Of Love The Honeydrippers
ハニードリッパーズというユニット名であるが、
この穏やかなボーカルは意外にもレッド・ツェッペリンのロバート・プラント。
「9」のつく日は空倶楽部の日