海辺は震え上がるほど冷たい風が吹き
あたり一面冬の様相だった。
一方で海を照らす陽の光は日の入り間近であったにもかかわらず
目を細めるほどの眩しさで波が引いた後の砂を照らしていた。
Sony α99 F2.8G/70-200㎜ (70㎜ f/2.8,1/8000sec , ISO100)
さて、この時期、冬の風景と春の光が同居を始めると
つい聴きたくなる曲が...
竹内まりや/色・ホワイトブレンド
その理由は、明るくテンポの良い曲調はもちろん
いくつもの音が重なって華やかな雰囲気が
春の到来を感じさせるからだと思っている。
もうひとつ、この曲にはどこか懐かしく甘酸っぱい気持ちにさせる
不思議な魅力があると思ったりもする。
それはまるで子供の頃に刷り込まれた記憶を辿るような感覚なのだが
実はこの曲以外にもそんな魅力を持った曲がいくつかあって
その中には「共通する何か」があるようにも感じるのだ。
だが、もともと音楽の知識などないので
それをうまく言い当てることができずにいた。
いや、そんな講釈を突き詰めるなど無意味で
「それらの曲が好きならそれで充分」と
深く考えることさえしていなかったのかもしれない。
ところが、である。
先の日曜日のこと。竹内まりやさんのダンナであり
かつプロデューサーでもある山下達郎さんがパーソナリティを務める
ラジオ番組を何気なく聴いていて大きく頷くことになった。
その日の番組ではこの1月に亡くなったアメリカの音楽プロデューサーを特集していたのだが、
その音楽プロデューサーが作り出したアレンジスタイルこそ
私が好きな楽曲に「共通する何か」であったことを知ったのである。
実に山下達郎さんもそのスタイルの魅力に取りつかれた一人で
「色、ホワイトブレンド」のアレンジにも強い影響が出ていることを感じることができる。
音楽プロデューサーの名はフィル・スペクター。
また、彼のアレンジスタイルは「Wall of Sound :ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」と呼ばれ
世界各国あまたのミュージシャンがその影響を受けたと言われる。
そして、スペクターの音楽プロデュースの原点とも言えるのがこの有名な曲だったと知ったのである。
The Ronettes - Be My Baby
この稿続く...。