7月半ばのこと。
古い友人たちとの「暑気払い」が年中行事となっている。
集まることに多少のためらいもあったが
その時は石川県内の感染者がひと月以上出ていなかったこともあり
「萎縮ばかりしていても」との思いから、例年通り旧交を温めることにした。
場所はいつも東山界隈。
「ひがし」や「主計町」の茶屋街など、
金沢でも歴史的な景観が色濃く残る一画だ。
持て余すほど時間に余裕を持って家を出る。
しかもひとつ手前のバス停で降り
さらに遠回りをする。
見慣れた街をゆっくりと歩く。
そして、時々足をとめて何でもない光景にカメラを向ける。
のんびりと食事までの時間を楽しむのだ。
作られたものではなく
生活と共に残された昔ながらの光景がある。
それが目にも心にもやさしく映るのかもしれない。
そして、今年の暑気払いは「櫂」で
町屋を改装しているが、「どこを改装したの?」と思うほど歴史を感じる。
金沢市は近年解体が進む町屋を残すことに力を入れていて
飲食や物販などへのリノベーションについても
内外装の景観をできるかぎり残すことを条件に助成金を出している。
この店にしてもそう。内装材の素材や色についても「注文」がつくそうだ。
女将から聞いた話だが...。
運転を誤った車が外壁に穴を開けたことがあったそうだが
修繕方法について当局の許可がなかなか下りずに閉口したそうだ。
「補修だからと助成金もださないくせに!」と
笑いながらこぼしていた。
その「櫂」でのひと時。
前菜 蕎麦豆腐とうもろこしソースがけ
八寸 蕎麦寿司他
椀物 蕎麦がき焼き鰊添え
そして、〆の店主手打ちの蕎麦 辛味大根を薬味で
昨今の状況に、この話題を記事として取り上げることにちゅうちょした。
全国で発生する感染者が軒並み過去最高となり治まる気配がないからだ。
ここ石川でも昨日の感染者は6名と非常事態宣言解除後の最高を記録している。
けれども、「GOTOキャンペーン」を巡る混乱が物議を醸す前のことであり
あくまでも金沢の夏の情景のひとコマとして紹介させてもらうことにした。
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