昨年10月、越前岬での星空撮影から蔵出し。
その夜は満天の星空、そして銀河が覆いかぶさるように頭上を覆っていた。
越前岬(福井県越前町)2020.10.17 21:19 Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM(16㎜ ,f/2.8,15sec,ISO3200)
さて、星空や宇宙から思いつく曲が...
Space Oddity David Bowie
宇宙船に乗り込んだトム少佐と地上管制室との会話がそのまま歌詞となっているが、
この曲が発表された1969年といえば、初の月面着陸を果たしたアポロ11号など有人宇宙ロケットが次々と打ち上げられた年。
さらにまた、前年にはスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅 (2001 A Space Odyssey)」が公開されるなど
宇宙開発への憧れが現実のものとなり始めた時代を背景にした曲だった。
その一方で、デビッド・ボウイは宇宙船を「ブリキ缶」と揶揄し、トム少佐にこう語らせている。
「私は今、ブリキ缶に座って、世界の遥か彼方から青い地球を眺めている。私には眺めることしかできないのに。」
そして、洋々と宇宙に飛び出した宇宙船は制御を失い、トムと管制室の通信は途絶えてしまう。
言ってみればカウンターカルチャー。
同じ時期のアメリカン・ニュー・シネマもそうだったように、
多くの若者たちが感じ始めていた「絶望感」を
デビッド・ボウイは代弁したかったのではないか、と思ったりもした。
そんなことをつらつらと考えながら、
あの時は受け入れることができなかったデビッド・ボウイの奇抜さが
今はとても懐かしく、何度もこのビデオを見返したのである。
もうひとつ、記しておきたいことがある。
昨年10月のブログ( 天の川 2020.10.21)に掲載したこの写真のことだ。
越前岬(福井県越前町)2020.10.17 21:22 Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM(16㎜ ,f/2.8,13sec,ISO3200)
今回、あの夜の写真を振り返っていて「あるもの」に気づいた。
先の縦構図を横構図にしただけか、と思われるかもしれないが
銀河を捉えたアングルが違う。
後処理で少しコントラストを強めて、
さらに色を浮き上がらせると
「あるもの」つまり、その星たちがはっきりと見えてきたのだ。
写真中央部、ひときわ明るい星が「こと座」のヴェガ。
その左、天の川を挟んでヴェガと対峙するのが「わし座」のアルタイル。
さらに、ヴェガとアルタイルを結んだ線を底辺とした直角三角形の
頂点に位置するのが「はくちょう座」のデネブだ。
なんとなく夜空に向けたカメラが、偶然にも「夏の大三角」を捉えていたことがうれしく
今頃になって書き記したという次第だ。
ところで、横文字で星の名前をまくしたてられるとわかりにくいかもしれないが
その中の二つの星は、実は、誰もがよく知っている。
ヴェガは織姫、アルタイルは彦星と言い換えると
「なるほど!」と頷いていただけるはずだ。