地震の傷跡が残る和倉港。
※現在近づくことはできません
和倉温泉は全国有数の温泉街として広く知られ、また、能登観光の起点でもあります。
それが今回の地震で大打撃を受けました。
和倉温泉は2007年の能登半島地震でも被災しています。
その時もほとんどの旅館が施設を損傷したのですが、
大部分は短期間で復旧し、元の活気を取り戻していました。
そして今回、3年間のコロナ禍をしのぎ、客足が戻った後だっただけに
関係する方々の悲痛は計り知れません。
和倉温泉を襲った2007年の地震の震度は「6弱」、それに対して今回の地震は「6強」でした。
弱と強。ほんの表現の違いのように思っていたのですが、
その揺れは比べようもないほど激しかったと聞きました。
マグニチュードで比べるなら2007年のM6.9に対し今回はM7.6。
マグニチュードが「1」増えると地震規模は32倍と言いますから
前回の地震とはまったくの別物。
それが想像を絶する被害をもたらしたのです。
実際にいくつかの被災状況を建物に立ち入って確認しましたが、
惨状としか言いようのない有様にただ立ち尽くすだけでした。
それでも自分が直接目にした被害はほんの一部です。
地震発生からひと月が経って
亡くなった方、行方不明の方の数は把握されているものの、
インフラや家屋の損壊など被害の全容はまだはっきりしていません。
仮設住宅の供給も始まったばかり、また、ようやくボランティアの受け入れ体制が整のい始めたようです。
そんな中で日本全国からの応援車両を見かけるとそれだけで心強くなるものです。
ただ、能登から帰って来るとどこか気が重く、無気力になっている自分に気づいたりもします。
その状態をうまく言い表すことができないのですが、「震災鬱」という言葉に目が止まりました。
直接被災していなくても鬱の症状が現れることがあるそうです。
自分がその症状に該当するとは思いませんが、
仮にそうであったとしても、この惨状から決して目を背けてはいけないと思っています。
「長い闘いを覚悟しなければならない」
ある被災者の方の言葉が胸に深く刻まれました。